子どもの作文がいつも、「◯◯へ行きました。楽しかったです」になってしまう……。そんな悩みはありませんか? 実は、ちょっと視点を変えるだけで、ぐっと読ませる作文に変えることができます。マンガと言葉を使ったゲームを通じて、小学生の子どもが楽しく言語化力を身に付けられると話題の一冊『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社)の著者で文章の専門家・山口拓朗氏がースに親御さん向けの記事として書き下ろします。

【夏休みの宿題にすぐ使える!】夏の思い出を「読まれる作文」に変える3つの方法Photo: Adobe Stock

一生使える! 「作文上手」が実践する3か条

「海に行きました。波が大きくて楽しかったです」
 夏休みの作文で、子どもがよく書きがちな文章です。体験したことを順番に並べ、「楽しかった」で締める。

 これでは、どうしても没個性で、おもしろみに欠ける作文になりがちです。作文を単なる「報告書」にしてはいけません。目指したいのは、その子にしか書けない「らしさ」が伝わる作文です。

 そのために必要なのは、「視点の切り替え」です。同じ体験でも、切り取り方を変えるだけで、作文は一気におもしろくなります。以下は、「読まれる作文」にするために有効な3つの方法です。

一瞬の感情にフォーカスする
「楽しかった」で終わらせず、その瞬間の感情を具体的に書いてみましょう。「波にのみこまれた瞬間の恐怖」「花火の音が体にズーンと響いてきた感覚」「スイカ割りで、見事にスイカを割ったときの快感」。一瞬の感情をリアルに書くだけで、作文に体温が宿ります。

五感をフル活用する
視覚だけに頼りすぎると、作文が平面的になりがちです。「ザブ~ンという波の音(聴覚)」「焼きとうもろこしの甘くて香ばしい匂い(嗅覚)」「ジリジリと足の裏を焼く砂の熱さ(触覚)」。視覚以外にも、聴覚、嗅覚、味覚、触覚などの五感を表現することで、読む人の頭の中に情景が鮮やかに浮かびます。

失敗やハプニングを主役にする
実は、うまくいった体験より、失敗した体験のほうが、読み物としてはおもしろくなります。「お祭りで迷子になった」「買ったばかりのソフトクリームを落とした」「海でクラゲに刺された」。予想外の出来事が書かれていると、読者は「このあとどうなる?」と引き込まれていきます。

 単に事実を並べるだけでは、作文の魅力が損なわれます。魅力的な作文を書くためには、「物事や体験の切り取り方」を工夫し、「何をどう感じたか」を言葉にする必要があります。

 夏の思い出を振り返るときは、ぜひこの3つの視点を、お子さんと一緒に試してみてください。

*本記事は、『12歳までに身につけたい「ことば」にする力 こども言語化大全』(ダイヤモンド社刊)の著者山口拓朗氏による書き下ろしです。