不満げな表情の女性写真はイメージです Photo:PIXTA

目を見て頷き、相づちも打っている。それなのに、部下からは、この人は話を聞いてくれないと思われ、いつのまにか本音も話してもらえず、提案も上がってこなくなった。仕事の判断が速く、優秀な人ほど陥りやすいこの落とし穴。「傾聴」を心がけているのに、なぜか部下が心を開かない。部下が上司を静かに見切っていく7つの瞬間と、話を聞いてくれると部下に思ってもらうために必要な姿勢を、人事・採用コンサルタントが解説します。(人材研究所ディレクター 安藤 健、構成/ライター 奥田由意)

部下が心を閉ざす
上司の“NG行動”

「最近忙しい?」「困っていることはない?」などと1on1で部下に優しく問いかけ、目を見て頷き、相づちも打っている。それなのに、部下からはこの人は話を聞いてくれないと思われている管理職がいます。
 
 上司はしっかり「傾聴」していると思っている。部下がミスをすれば事情を尋ね、悩みを打ち明けられれば解決策を示す。ところが部下のほうは、面談を重ねるたびに、何を言っても結論は同じだ、どうせ会社の都合を説明されて終わるのだと感じ、次第に本音を話さなくなっていきます。

 問題は、目線や相づち、姿勢といった、表面的なテクニックにはありません。やっかいなことに、仕事の判断が速く、短い時間で結論を出せる優秀な管理職ほど、面談の場では、話を聞いていない人になりやすいのです。頷きながら熱心に聞いているつもりでも、相手には、本当は聞いていないと見透かされている。話を聞いているつもりの上司が、無意識のうちにやってしまっているNG行動とは、何なのでしょうか。

話の途中で結論を決めている

 部下が上司を見切るのは、部下が話し終える前に、上司が結論や評価、あるいは次に自分が言うことを考え始めるときです。相づちは打っていても、心はすでに部下の話から離れています。

 部下が1から10まで話すうちの、5あたりで結論を決めてしまえば、残りの6から10は耳に入りません。注意を向ける先が自分の次の質問や反論、アドバイスに移ってしまうからです。

 典型的なのは、ミスの理由を尋ねておきながら、部下が何を説明しても、結局は確認不足だよねなどと締めてしまうケース。あるいは1on1で悩みを聞くふりをしながら、いつのまにか会社の指示や、自分が任せたい仕事の話にすり替えてしまうケースです。

 これでは部下は、何を言っても上司の結論は最初から決まっているのだと学習し、本音を話したり、提案したりする意味を感じなくなります。面談が上司への諦めの気持ちを増幅する場になってしまうのです。

 聞いているつもりで相手の話を聞けていない上司の典型的な行動パターンは7つあります。