初代大統領ジョージ=ワシントンの行動は、その後のアメリカ大統領制の「先例」となった。「高位殿下」ではなく「ミスター・プレジデント」という呼び名を選び、内閣の原型も整備。満場一致で選ばれた初代大統領が、現在まで続くアメリカ政治の形をどうつくったのか。『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からのアメリカ史』から紹介する。

なぜアメリカ大統領は「ミスター・プレジデント」? ワシントンがつくった最初の先例Photo: Adobe Stock

先例となったワシントン

 ワシントンが初代大統領となり、彼(および、ファーストレディのマーサ=ワシントン)がしたことは、すべてが新しい伝統の始まり、つまり先例となった。たとえば、ワシントンは「殿下」や「閣下」さらには「高位殿下」(本当にそう提案した人がいた)ではなく、「ミスター・プレジデント」と呼ばれることにした。

初代大統領

 1789年初頭、憲法を批准した州は選挙人団を集め、投票によって大統領を選ぶことになった。引退していたジョージ=ワシントンは復帰するように説き伏せられ、満場一致で初代大統領に選出された。初代副大統領には、2票目の半数近くを獲得したジョン=アダムズが選ばれた。1789年4月30日、当時、一時的に首都が置かれていたニューヨーク市で就任式がおこなわれた。

内閣

 議会は、行政府の体制を整えた。国務省(他国との交渉担当)、陸軍省(防衛問題担当)、財務省(経済担当)を設け、法律問題を扱う司法長官と、郵便を担当する郵政長官も置いた。ワシントンは、これらの機関のトップと役職に次のような顔ぶれを選んだ。

 これらの長官のうち、郵政長官をのぞくメンバーが、内閣を構成した。内閣のメンバーは、現在と同じように、大統領に助言をおこなうようになった。