エヌビディア決算に集まる期待、AIブーム続くかPhoto:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

 半導体メーカー各社は、人工知能(AI)ブームが急速に拡大していることを投資家に確信させようと躍起になっている。だがウォール街は、米エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)がそう発言するまでは信じないかもしれない。

 フアン氏は26日に決算発表の電話会議でマイクの前に立つとき、世界中の注目を集めることになる。時価総額5兆ドル(約800兆円)規模のエヌビディアの現状について同氏が語る内容は、AIの未来を先取りし、ハイテク株の熱狂に沸く株式市場の今後の道筋を左右し、ブームが崩壊しないとの期待と結び付きつつある米経済に影響を与えるだろう。

 2022年のチャットGPTの発表を皮切りに、オープンAI、アンソロピック、そして既存の巨大IT企業の間で覇権争いが始まって以来、エヌビディアはAIの重要な構成要素を提供してきた。現在では広大なデータセンター計画や、半導体需要を喚起するための異例の資金調達ルートを支援する中、同社の影響力はかつてないほど高まっている。

 しかし、先行きが懸念される兆候もある。AIに対する政治的反発が強まっている。債券売りで借り入れコストが押し上げられ、過去数年で最高水準に達した。エヌビディアの主要顧客の一部を含むハイパースケーラー(大規模クラウド事業者)――かつてはキャッシュを生み出す企業だった――は、債務への依存度を高めている。オープンAIが最近投資家に明らかにしたところによると、第2四半期の売上高は18%の緩やかな伸びにとどまり、赤字幅が拡大した。

 エヌビディアは市場全体の潜在的な弱点を補強するために介入を強めている。今月、ウォール街の最大手6社と提携して 5000億ドル規模のAI向け資金調達プラットフォーム を立ち上げ、同社製半導体を購入する余裕のない顧客への融資支援を約束した。先週には、データセンター向けに電力を手配するクローバーリーフ・インフラストラクチャーに出資したほか、強力なオープンウエートAIモデルの開発を目指し、 新興企業プールサイドと60億ドルの契約を結んだ 。

 他の半導体メーカーや、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれるハイテク大手の株価がここ数カ月で激しく乱高下するのを見てきたウォール街は、エヌビディアの業績が再び予想を上回ることを期待している。カウントダウンはすでに始まっている。

「現時点では、スーパーボウルというよりもワールドカップの決勝戦のようになりつつある」とザックス・インベストメント・マネジメントのチーフ・マーケット・ストラテジスト、ブライアン・マルベリー氏は述べた。「それほど大きな存在になっている」