CEO来日! エヌビディア旋風Photo:metamorworks/gettyimages

日本が産官学を挙げて取り組む国産の「フィジカルAI」の研究開発体制の全容が7月14日、ダイヤモンド編集部の取材で判明した。経済産業省が所管する国立研究開発法人産業技術総合研究所が中核となり、日米欧14の研究機関が連携して、AIの最先端技術を研究。その成果を、ソフトバンクやNECなど44社が出資するノエトラがAIの開発に活用する。研究開発を支えるのは、米半導体大手エヌビディアから調達予定の半導体で増強する計算資源だ。特集『CEO来日! エヌビディア旋風』の本稿では、フィジカルAIを巡る国策の開発体制の全容を詳報する。(ダイヤモンド編集部 エヌビディア取材班)

国産「フィジカルAI」開発体制判明
産総研とノエトラの2本柱

 高市政権が成長戦略の中核に据えているのが、「戦略17分野」に対して2040年度までに官民合わせて370兆円超を投資する構想だ。そして、17分野の筆頭に記されているのは「AI・半導体」である。とりわけ、ロボットなどハードウエアを動かすための「フィジカルAI」には、40年度までに官民10.5兆円を投資する計画である。

 国策で推し進める国産フィジカルAIの開発体制の全容が7月14日、ダイヤモンド編集部の取材で判明した。

 国産AIの開発体制は、大きく2本柱から成る。一つは産業技術総合研究所(産総研)を中核とし、AIの最先端技術を研究するチームだ。産総研を含む日米欧14の研究機関が連携し、産総研は120人規模、外部の研究機関は110人規模を予定している。

 ここで得られた研究成果を基に、実際にAIの開発を進めるのはソフトバンクやNECなど44社が出資するノエトラである。ノエトラはAIモデルの開発と外部への提供を担うほか、AIを動かすための計算基盤の選定や調達も行う。ノエトラは当初は100人規模だが、250人規模へと拡充する方針だ。

 さらに、研究開発を支えるのは、米半導体大手エヌビディアから調達予定のGPU(画像処理半導体)で増強する計算資源だ。

 このプロジェクトに投じられる予算は、26年度は最大3873億円である。

 次ページでは、産総研やノエトラの研究開発体制の全貌や狙いのほか、プロジェクトを支えるエヌビディアから調達したGPUを搭載するデータセンターの設置場所について詳報する。どのジャンルの研究にどの会社や大学が参加し、トップは誰が務めるのかまで、全てのジャンルで明らかにしていこう。