変化にかかる“時間の謎”に迫るのが「反応速度」という視点だ。例えば、植物の光合成にかかる時間や、セメントが固まるまでの時間、さらには石炭がダイヤモンドへと生まれ変わる時間まで、ものが変化するスピードは驚くほど多様である。身近な現象から「時間のしくみ」を紐解く方法を『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの化学』から分かりやすく解説する。

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反応速度

ある反応がどれだけ速く(または遅く)進むのかを知りたい場合がある。
その情報を得るためには、反応物または生成物の濃度の時間変化率である、反応速度を調べる。
反応速度の単位はモル濃度毎秒(mol/L・s)である。

反応速度の例
身近な反応速度の例

反応速度が分かれば、その反応が完了するのにどれだけの時間がかかるかを知ることができる。

A → Bという反応(Aが反応物、Bが生成物)では、反応が進むにつれて反応物(A)の濃度が低くなり、生成物(B)の濃度が高くなる。

反応速度は、その濃度の時間変化から計算される。

A → Bという反応の反応速度は、次の式で与えられる。

反応速度の式

[A]と[B]はモル濃度(mol/L)で表し、tは秒・分・日など、その反応のタイムスケールにもっとも適した時間単位で表す。

反応の進み方は下のようなグラフで表すこともできる。

反応速度のグラフ

スタート時には生成物の濃度(青色の線)は0である。
時間が進むにつれて反応物の濃度(赤色の線)は低くなり、生成物の濃度は高くなる。
正反応の反応速度と逆反応の反応速度が等しくなると、化学平衡に達する。

衝突理論

化学反応が起こるためには、分子どうしが作用し合わなければならない。たいていの場合、それは分子どうしが衝突することで起こる。濃度が高い(分子の個数が多い)ほど、衝突回数も増える。

衝突理論の分子

衝突したからといって毎回新たな分子が生成するわけではない。
適切な方向から適切なエネルギーで衝突しなければ、新たな分子は生成しない。

衝突する分子の例

衝突のしかたは反応速度にも影響を与える。
分子どうしが反応するためには、ある最小量以上のエネルギーで、好ましい方向から衝突する必要がある(有効衝突)。
温度を高くしたり、反応物の表面積を大きくしたりすれば、有効衝突の回数が増えて反応速度が速くなる。

分子どうしはさまざまな形で衝突する可能性がある。

分子が衝突している一例