「自分には、これといった才能がない」。そう感じている人は少なくないだろう。仕事で使える資格があるわけでもない。誰にも負けない専門スキルがあるわけでもない。だから、新しい知識を勉強したり、資格を取ったりして、何とか自分の武器を増やそうとする。しかし、本当に「持っている力」がないのだろうか。漫画家・かっぴー氏の著書『天才になれなかった全ての人へ 自分だけの武器が見つかる才能論』で紹介されている「カード思考」で考えると、見落としているものがあるかもしれない。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)

「自分の持つ力を活かせていない人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

「力」というと、なぜかスキルばかり考えてしまう

「あなたの持っている力は何ですか?」と聞かれたら、多くの人は「営業力」「文章力」「プログラミング」「英語力」のようなものを思い浮かべるだろう。つまり、仕事で役立つ能力や、努力して身につけたスキルである。

しかし、「カード思考」で考えれば、自分が使えるものはもっと広い。たとえば「コネ」もカードだし、語弊を恐れずに言えば「顔がかわいい」もカードになる。人から好かれやすいことも、体力があることも、特定の業界に詳しいこともカードになり得る。

それが世間一般で「才能」と呼ばれているかどうかは重要ではない。自分が持っていて、何かに使えるなら、それはすべてカードなのだ。

育ってきた環境が「カード」を作る

さらに考えていけば、自分が育ってきた環境や経験もカードになる。

たとえば、次のような経歴はカードにつながるかもしれない。

・実家が飲食店だったため、子どもの頃から店の裏側を見てきた。
・親の仕事の関係で引っ越しが多く、新しい集団に入ることに慣れている。
・ある趣味に異常にハマっていたため、そのジャンルについてだけ妙に詳しい。

本人からすれば「昔からそうだった」「みんな知っているだろう」と思っていることでも、他人から見れば簡単には手に入らない知識や経験かもしれない。自分にとって当たり前すぎるものほど、カードとして認識しにくいのである。

すでに持っているカードを捨ててはいけない

たとえば、「文章を書く」という後天的に身につけたスキルが同じ程度の二人がいたとする。

一人はそれだけで勝負する。もう一人は、子どもの頃から野球が大好きで、選手や戦術について異常に詳しい。初対面の人からも話を聞き出すのが得意である。

後者が「文章力」に「野球の知識」「コネ」「人に好かれやすい」といったカードまで組み合わせれば、同じ文章力でもできる仕事はまったく違ってくる。自分だけが持っているカードを使わず、誰でも後から仕入れられるカードだけで戦うのは、最初から自分の手札を減らしてゲームに参加しているようなものなのだ。

「天才状態」に入るために、まず手札を知る

自分の持つ力を最大限に発揮し、「天才状態」に入るためにも、自分の手札を理解することは欠かせない。「自分には才能がない」と考える前に、まず自分がすでに持っているものを全部並べてみる。

「能力」や「スキル」だけに限定する必要はない。「経験」「知識」「性格」「見た目」「人間関係」「育った環境」まで含めて、「これは何かに使えないか?」と考えるのだ。自分では価値がないと思っていたものが、別のカードと組み合わさった瞬間、強い武器になることもある。

せっかく最初から手元にあるカードを、使わないのはもったいない。