「20代、30代の頃は、自分のほうが圧倒的に仕事ができた。それなのに、気づけば若手のほうが評価されている」。40代になると、そんな逆転が起きることがある。しかし、原因は年齢そのものとは限らない。漫画家・かっぴー氏の書籍『天才になれなかった全ての人へ 自分だけの武器が見つかる才能論』で紹介されている「カード思考」から考えると、若い頃に活躍していた人ほど陥りやすい、ある落とし穴が見えてくる。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)
Photo: Adobe Stock
若い頃に強かったカードは、一生強いとは限らない
「カード思考」では、自分が持っている性質や能力、経験などを「カード」として捉える。そしてカードには、年齢とともに価値が変わるものがある。
たとえば20代なら、「若さ」「体力」「勢い」「かわいげ」「将来性」といったものも立派なカードになるだろう。多少失敗しても、「まだ若いから」と許してもらえる。「これから伸びそう」という期待だけで、大きな仕事を任せてもらえることもある。
しかし、40代になれば、同じカードが同じように通用するとは限らない。
カードには「消費期限」がある
怖いのは、若い頃に成功していた人ほど、その成功体験を手放しにくいことだ。「愛嬌で周囲を巻き込んできた」「とにかく誰よりも働いて結果を出してきた」。実際、それで20代、30代を勝ってきたのだから、本人にとっては正しい戦い方だった。
しかし、年齢が上がれば周囲から求められるものも変わる。「勢い」より「判断力」、「かわいげ」より「信頼」、「将来性」より「実績」といったように、強く働くカードが変化していく。つまり、カードには「消費期限」があるのだ。
40代は「なくなったカード」だけを見てはいけない
ここで、「年を取るほどカードが弱くなる」と考える必要はない。
失うカードがある一方で、年齢を重ねたからこそ手に入るカードもあるからだ。何度も失敗したから身についた「判断力」。長く仕事をしてきたから生まれる「経験」。多くの人と関わったことで得た「人脈」。修羅場を経験した人だから持てる「落ち着き」や「説得力」。20代にはどうしても持てなかったカードが、40代になった自分の手元には増えているはずだ。
若手に抜かれる人は「昔の自分」で戦い続ける
問題は、それに本人が気づいているかどうかである。
40代で若手に抜かれる人は、自分のカードが変化しているのに、戦い方だけを更新していないことがある。20代の若手と同じように体力で勝負する。昔と同じ愛嬌で乗り切ろうとする。自分で大量の仕事を抱え、処理量で存在価値を示そうとする。
しかし、若手には若手のカードがある。「若さ」や「体力」で正面から戦えば、本当に若い人のほうが有利になるのは当然だ。それよりも、今の自分だから持っているカードを使ったほうがいい。
「自分のベテラン」は何度でも更新する
だから大切なのが、「自分のベテラン」であり続けることだ。自分のベテランになるとは、一度自分の強みを発見して、それを一生使い続けることではない。「今の自分には、どんなカードがあるのか」を何度も確認し直すことだ。
20代の自分と40代の自分では、手札が違って当然である。使えなくなったカードを認め、新しく増えたカードを見つけ、それに合わせて戦い方も変えていく必要がある。
自分のカードは、年齢とともに更新されていく。だからこそ、「自分のベテラン」も更新し続けなければならないのである。





