「自分のほうが長く働いているのに、なぜあの若手のほうが成果を出しているのか」。職場でそんな経験をすると、焦りを感じる人もいるだろう。入社数年の若手がベテランを追い越すことは、現実にある。なぜ、経験量が少ないはずの若手が、ベテランを抜けるのか。その理由を書籍『天才になれなかった全ての人へ 自分だけの武器が見つかる才能論』にある「天才状態」という考え方から見ていこう。(構成/ダイヤモンド社・榛村光哲)
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経験量が多い人ほど「優秀」とは限らない
仕事では、経験が大きな武器になる。10年間やってきた人と1年間しかやっていない人なら、普通に考えれば前者のほうが知識も技術も豊富だろう。
しかし、実際の成果は連動しないことがある。なぜなら、成果を左右するのは「どれだけ経験したか」だけではなく、「今、自分の持っている力をどれだけ発揮できているか」だからだ。経験豊富な人が持っている力の50%しか発揮できていない一方、経験の浅い若手が持っている力を100%発揮していれば、後者が大きな成果を出すことは十分にあり得る。
若くても「天才状態」には入れる
ここで重要なのが「天才状態」という考え方だ。天才とは、一部の特別な人だけに与えられた称号ではない。
自分の中のステータス表示のひとつであり、条件が揃えば、経験の少ない若手でも天才状態に入ることができる。そのための条件は3つある。
1 自分の能力を100%発揮している
一つ目は、自分の能力やポテンシャルを100%ワークさせることだ。どれほど経験があっても、力を出し切れていなければ、持っている能力は成果にならない。一方、経験が浅くても、自分の持っている力・スキル・コネクションなどの「カード」を100%使える人は成果が出る。年齢による経験差はあっても、「今の自分が持っているカードをどれだけ使っているか」では、若手が上回ることができるのである。
2 無理をせず「自然な状態」でいる
二つ目の条件は「自然な状態であること」だ。
自分の力を十分に発揮しながら、心身には無理がない。周囲と比較して焦ったり、期待に応えようとして無理な仕事を抱えたりして、心と身体が消耗していれば、本来の力は発揮できない。「いい自分」を発揮するためには、心身も「いい状態」でなければならない。若くても、自分をうまく運用し、自然な状態で力を出せている人は強い。
3 周囲に「価値」を生んでいる
そして三つ目が、「価値を生んでいること」だ。
本人がどれだけ「自分はすごい」と思っていても、周囲に何の価値も生み出していなければ、それは自己満足で終わる。一方、仕事を通じて誰かの役に立てば、周囲から反応が返ってくる。売上、数字、「ありがとう」という言葉……形はどうあれ、「天才状態」に入っている人は、周囲へ価値を生んでいる。
年齢より「今、どんな状態にいるか」を見る
自分より若い人が大きな成果を出していると、「自分には才能がないのか」「もう若い人には勝てないのか」と考えてしまいそうになる。
しかし、見るべきなのは年齢ではない。自分の能力を100%発揮できているか。自然な状態でいられているか。そして、周囲に価値を生み出せているか。この3つだ。
経験量は、年齢とともに増やせる。しかし、経験が多いだけで天才状態に入れるわけではない。逆にいえば、経験の少ない若手でも、この3条件が揃えば天才状態に入り、大きな成果を出すことができる。「自分より若いのに優秀な人」は、単に「天才状態」に入っているに過ぎないのだ。





