世界的な債券利回り急騰、政府借り入れに試練Photo:Anadolu/gettyimages

 世界経済は克服すべき新たな課題に直面している。大荒れの債券市場が借り入れコストを数十年ぶりの高水準に押し上げているのだ。

 債券相場の急落は1日、一段と進み、日本の10年物国債利回りが1996年以来となる3%の水準に達した。多額の債務を抱える他の主要国の市場でも同様の動きが起きている。英国の30年物国債利回りは1998年以来の高水準となった。ドイツとフランスの国債利回りも上昇し、この10年余りで最も高い水準となった。米国の10年物国債利回りは4.8%に近づき、2025年1月以来の水準を付けた。

 金利の上昇は世界経済に重大な影響を及ぼし、住宅購入者からクレジットカード保有者まで、あらゆる人々の負担を増やす。特に、近年多額の借り入れをしてきた各国政府の負担は大きい。

 債券売りはここ数週間で強まってきており、それには数多くの要因がある。今週、ペルシャ湾での戦闘再開を受けて原油相場が急伸したことが新たな材料となった。エネルギー価格が上昇し、その影響が経済に波及すると、債券投資家はインフレ率の上昇を相殺するために、より高い利回りを求める。

 米国を含め、多額の債務を抱える国々が特に大きな打撃を受けている。これは、債務スパイラルに陥りかねないという投資家の懸念を反映している(債務スパイラルとは、利回りの上昇が既存債務の借り換えコストを押し上げ、さらに多くの借り入れが必要になる状態を指す)。人工知能(AI)ブームの中で米ハイテク企業が資金調達のために発行した大量の社債も、国債の需要を奪う形で国債利回りを押し上げていると、投資家は指摘する。

 米ノースカロライナ州アッシュビルでの20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議に集まった、スコット・ベッセント米財務長官をはじめとする各国の財務相は市場の沈静化に努めたが、効果はなかった。