これやるだけ!豊田章男が「ショート動画」を仕事に役立てる“ひと手間”がすごいPhoto:Bloomberg/gettyimages

SNSのショート動画は、見れば見るほど好みに合う情報が並ぶ。その便利さの裏で、視野が狭くなる危うさもある。トヨタ自動車会長の豊田章男氏は、トヨタ提供の番組『vs豊田章男 supported by 三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)』で、自身の活用法について語った。経営研究も踏まえ、その独特な情報収集術を紐解く。(イトモス研究所所長 小倉健一)

わりと流行りのものを
SNSで見ている

「もしトヨタ自動車に流行部っていうのがあるなら、部長は僕だと思うな」

 トヨタ自動車会長の豊田章男が、ラジオでそう言い張った。

 ニッポン放送制作のポッドキャスト「vs豊田章男 supported by 三四郎のオールナイトニッポン0(ZERO)」第5回「流行の追い方と作り方~ワンボックスカーの20年と夜の踊り子の秘密」での発言である。この番組は、三四郎の小宮浩信が豊田を「親父」、自分を「息子」と呼んだラジオの冗談から生まれた。三四郎が若いリスナーの相談を読み、“親父”の豊田が答える。

 この回も、好きな寿司ネタを聞く軽い話から始まった。豊田が答える前に、三四郎の二人は「クルマだけに、シャコ」と予想する。シャコと車庫をかけた、あまりにも真っすぐなクルマのダジャレである。「シャコ。ガレージ」と念を押し、そのボケを「準備してるかもしれないよ。何回も聞かれて」「親父、潰しちゃったかもしれない」と笑った。

 ところが豊田も引かなかった。「よく分かったね。シャコだって」と一度は認めた後、「でも本当は違うの。車海老。ヒィーンっだ。どうだ?」と返した。三四郎がシャコ=車庫で先回りしたのに対し、豊田は名前にそのまま「車」が入ったクルマ海老を重ねたのである。トヨタ会長をクルマのダジャレでいじる三四郎と、もう一つかぶせて取り返す豊田。この短いやり取りだけで、3人の距離の近さが分かる。

 話はそこから流行へ移った。

 相談者は「自分は幼い頃から、『これ流行ってるよね』という言葉に対して『ほんとかな』と疑う癖があり、一歩引いてしまいます。ネットをサーッと見ることで流行っている情報は得られるので会話に困ることはないのですが、自分は薄い生活だなとも思うんです。親父は各業界の錚々たる方々と会う中で、流行はどれぐらい重要な情報なのでしょうか。教えていただけたら嬉しいです」と質問した。

 豊田はわりと流行りのものをSNSで見ているという。