カルロス・ゴーン氏、金融不正容疑で起訴され保釈される 東京、日本 - 2019年3月6日 Photo:Getty Images(by Jun Sato/WireImage)
2018年に発覚したカルロス・ゴーン事件。内部調査によって確信犯的な不正が明るみになり、日産をV字回復させたカリスマ経営者の電撃逮捕劇は、世間を震撼させた。そして、ゴーン氏の逮捕後には「日産の陰謀」「ゴーンと西川社長の対立」という見方が囁かれていた。本稿では、著者であり、日産の元社長・西川廣人氏が、イエスマンに囲まれたカリスマ経営者の変容と日本型組織の課題について、当事者の目線で検証する。※本稿は、西川廣人『わたしと日産 巨大自動車産業の光と影』(講談社)の一部を抜粋・編集したものです。
ゴーンと私は「対立関係」にあったのか
今となっては旧聞に属する話かもしれないが、まずは私の視点でゴーン事件を振り返り、事件の本質について思うところを述べておきたい。
私は1953年11月、カルロス・ゴーンは1954年3月に生まれている。日本流にいえば同学年ということになる。
2017年4月1日、私はゴーンの後継として、日産自動車の社長兼最高経営責任者(CEO)に就任した。それまで18年にわたって日産を率いてきたゴーンは同日、日産の会長となった。
ゴーンの後継としての私の仕事は、2000年から積み重ねてきた日産改革の集大成、次世代への引き継ぎの2つが柱になるはずだった。
ところが、社長就任からわずか1年半後の2018年11月19日、あろうことか会長のゴーンが金融商品取引法違反で東京地検特捜部に逮捕され、私は社内外に広がる混乱の収拾という全く想定外の仕事に追われる羽目になった。
遡ること19年前の1999年、ゴーンは経営難に陥っていた日産にフランスの自動車会社ルノーから最高執行責任者(COO)として送り込まれた。2001年には日産のCEOに就任している。
これまでの報道を振り返ると、大成功を収めた「ゴーン改革」から、不正の発覚、四度にわたる逮捕、保釈中の国外逃亡と続いた「ゴーン事件」に至るまで、センセーショナルあるいはドラマチックな部分ばかり報じられてきた感がある。







