完璧を求めて妥協ができない。中途半端なものを出して「できない奴だ」と思われたくない。「先のばし」や「完璧主義」を脱するための方法を、『おい、とりあえず終わらせろ』を書いたエンジニアのnwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえず終わらせろPhoto: Adobe Stock

ゴールは近づくほど遠くに動く

 仕事の納期は大事だ。

 そうわかっていても、ついつい締め切りを過ぎてしまったり、先のばしにしてしまうことがある。

 しかし、ここで重要なのは、誰にとっても100点の成果物など存在しない、という前提に立ち返ることです。

 なぜなら、みんなが「これが完璧」と合意できる評価基準なんて、まずないからです。

 仮に、ある時点で「これが100点だ」と感じたとしましょう。

 でも次の瞬間、「もっと良くできるのでは」という考えが浮かぶかもしれない。今日は本調子ではないかもしれないし、明日の自分の方が冴えているかもしれないから。

 つまり、ゴールは近づくほど遠くに動くのです。

 存在しないものを追いかけるのは、趣味としては優雅だが、仕事ではかなりまずい。

 それなのにここを勘違いすると、「もっと頑張れば相手を一発で満足させられるはずだ」とか思ってしまう。

「まだ見せられない」が命取り

 これは努力の問題じゃない。「誰にとっての100点か」を定めることが必要だ。

 そうやって「良いもの」の基準が自分の中だけで膨張していくと、悲劇が起こります。

 周囲は永遠に待ち続ける。レビュー待ちの人は予定を組めない。依頼した人はどこまで進んでいるかわからない。

 そして本人からは、「まだ見せられない」という言葉が出てくる。

 それを聞いた周りは何もできなくなってしまいます。

 いくら本人が苦しくても、外から見れば、それは「周囲に判断不能な状態を強いる人」でしかない。

 仮に100点まで磨いたとしても、方向性がズレていたら自分の時間も相手の時間も無駄にします。

 それならば早い段階で「この方向で合っていますか?」と確認する方が、よっぽど相手の時間を尊重している。

 もしも「誰にも見せていない期間」が長くなっているなら、それは質を高めているのではなく、ただ防壁を積み上げているだけの可能性があるのです。

自分を責める前に事象を書き出せ

 ここまで聞いて、耳が痛い人も多いかもしれない。何を隠そう、私自身がそうでした。

 ただ、自分を責めすぎなくても大丈夫です。

 いやむしろ、自分を責めても意味がない。

 必要なのは自分を責めることではなく、何が起きていたかを検証することです。

 自分の性格を責めたところで、次も同じことが起きるでしょう。でもそこで構造まで調べれば、次に同じ状況が来たとき気づけるかもしれない。

 解決策は「もっと頑張れ」じゃなく、仕組みを変えること。

 つまり、他者の目を入れる、合意を取る、60点で出す、なんです。