完璧を求めて妥協ができない。中途半端なものを出して「できない奴だ」と思われたくない。「先のばし」や「完璧主義」を脱するための方法を、『おい、とりあえず終わらせろ』を書いたエンジニアのnwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえず終わらせろPhoto: Adobe Stock

「擬似完了感」のループに陥ってはいけない

「もう少し練ってから」「もう少しデータが揃ったら」そう言いつつ手を動かす。

 調べて、整理して、進んでいる気はする。

 それで、締め切り直前に初めて気づくんですよね。体裁だけ整っていて、肝心の中身が何もないことに。

 何もしなかったわけじゃない。手は動かしていた。競合を調べ、データを整理し、構成案を書き出した。提案書の見出しを並べ、データを貼り、体裁を整えた。

 だけど、何も終わっていない。

「準備」をしていただけで、「終わり」に近づいていなかった。

 この状態を、私は「擬似完了感」と呼んでいます。

 いつまでも「終わり」の輪郭が曖昧なまま調べたりアイデアを集めたりすると、まあ前に進んでいる気にはなります。

 でも、ページ数は増えても肝心の中身は進んでいない。

「進んでいる気分」が悪循環を生む

 なぜこの錯覚が起きるのか。

 情報収集には、「努力の感触」があるんですね。

 記事を読む、データを整理する、フォルダを作る。どれも手が動いている。手が動いていると、「進んでいる」と感じる。

 身体の動作が進捗の感覚を生んでいたのです。

 成果物の核心を作る作業、例えば「何を提案するか」を一文にまとめる、スライドの結論を決める……

 こういった場面には、努力の感触がありません。大事な中身を決める瞬間は、手が止まる時間の方が長い。
この「手が止まっている時間」は「進んでいない」と感じさせます

 だから、成果物に向かうより情報収集に逃げた方が「進んでいる気分」になれる。

 これは思考の癖ではなく、仕組みの罠だ。