クルーソーのチェース・ロックミラーCEOPHOTO: JONAH REENDERS FOR WSJ
米クルーソーは、世界最大級の人工知能(AI)スーパーコンピューターを建設したことで知名度を上げた。同社が次に注力するのは、小型化だ。
クルーソーは2年をかけてテキサス州アビリーンにデータセンター複合施設を建設し、米オープンAIがこれを利用しているが、現在は小型データセンターに多額の資金を注ぎ込んでいる。小型であるため、自社工場で製造して平ボディートラックに積み込み、電源がある場所ならどこにでも設置できる。これは大規模プロジェクトより早くて安いという利点がある。大規模プロジェクトは費用がかさむ上、米国各地で遅延に直面している。
クルーソーの戦略を支えるのは新たに実施した資金調達ラウンドで、39億ドル(約6140億円)を集めて企業評価額は約309億ドルに達した。チェース・ロックミラー最高経営責任者(CEO)によると、この資金調達はアトレイデス・マネジメント、バロー・エクイティー・パートナーズ、ムバダラ・インベストメントが共同で主導し、他にもファウンダーズ・ファンド、TPG、政府系ファンドのカタール投資庁(QIA)などが参加した。
背景には、AI企業が求める計算能力が変化していることがある。数十万個のチップを接続した巨大クラスターは、高度なモデルの学習に有益であることが分かっている。ただ、こうしたモデルを個人が使う際の推論は、これよりはるかに少ないチップで足りる場合が多いとロックミラー氏は話す。
「そのためにアビリーン(の施設)は必要ない」と同氏は述べた。推論にこのような施設を使うのは「やや過剰かもしれない」という。
クルーソーの小型データセンター「スパーク」には、利点がもう一つある。スピードだ。データセンターを新設するには、計画、地域コミュニティーとの調整、建設に何カ月もかかる。
スパークなら、自社施設で製造してから、電源がある場所へ運べばいい。何百人もの作業員が建設現場に行く必要はない。労働力と電力の確保は開発の大きな制約となっており、この手法が今後ますます有効になるかもしれない。







