正しいことを言っているはずなのに、なぜか相手を怒らせてしまった。そんな経験はないだろうか。仕事では、言うべきことを言わなければならない場面もある。しかし、正論をそのままぶつけるだけでは、かえって話がこじれることもある。では、賢い人はどう伝えているのか。話題の書『仕事・人間関係で損する人、得する人』(伊庭正康)より、本文を一部抜粋、再編集してお届けする。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

正論は相手をムカつかせる。賢い人はどう伝える?Photo: Adobe Stock

「正しいこと」を言っても、なぜか伝わらない…

正しいと思ったことを率直に伝えたら、かえって関係がこじれてしまった――。
そんな経験はないでしょうか。

「相手のためを思って言ったのに伝わらない」
「正論のつもりだったのに反発されてしまった」

こうした悩みを抱える人は少なくありません。

コミュニケーションの3つのスタイル

実は、コミュニケーションには大きく分けて3つのスタイルがあります。

・アグレッシブ(攻撃型):「こうすべきです」「なぜやらないのですか」
・アサーティブ(バランス型):「私はこう思います。あなたの意見も聞かせて」
・ノンアサーティブ(非主張型):「まあ、いいか」「言ってもムダかな」

同じ意見でも「伝え方」で印象は変わる

具体例で見てみましょう。

毎日残業が続き、ミスも増えてきた。体力的にも精神的にも限界が近づいている。

しかし、上司は「繁忙期だから仕方ない」と考えているようで、とくに対策を取る気配はない。

こんなとき、あなたなら上司にどう伝えるでしょうか。

3つのコミュニケーションスタイルに当てはめて考えてみましょう。

・アグレッシブ(攻撃型)
(例)「正直、今の業務量は無理があると思います。誰がどう見ても多すぎる。
なぜ、人員を増やさないのですか?」

・アサーティブ(バランス型)
(例)「最近、業務が追いついておらず。このままだとミスが増え、チームにも迷惑をかけてしまうかもしれないと思っています。そこで、ご相談なのですが……」

・ノンアサーティブ(非主張型)
(例)「……(何も言わない)大丈夫です、なんとかやります」

ここでもちろん選択すべきは、「アサーティブ」です。

「配慮しながら、必要なことは伝える」

アサーティブとは、相手を尊重しながら、自分の意見もきちんと伝えるというコミュニケーションのあり方。つまり、「配慮しながら、必要なことは伝える」スキルです。

アグレッシブだと、カドが立つ。ノンアサーティブだと、自己消耗が続き、ある日突然、限界がくる可能性がある。

これまで抜擢される人を見てきて気づいたことがあります。

彼らは例外なく、「アサーティブ」を選んでいるということ。

感情的にならず、言うべきことは伝える。

そのひとことが、状況を動かしているのです。