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子どもの食事を無料にしたら、
レストランの売上が減るのでは?
家族旅行では、宿泊料金だけでなく、朝食、昼食、夕食、子どもの飲み物など、食事代も大きな出費になります。
条件を満たす宿泊客について、某ホテルでは子どもはホテル内レストランのキッズメニューを無料で利用できます。
普通なら、子どもにも通常料金を払ってもらったほうが、レストランの売上は増えそうです。それなのに、なぜ無料にするのでしょうか。
販促の観点から見ると、これは、子どもの食事代を無料にすることで、家族全体の宿泊先や食事先として選ばれやすくする仕組みと考えることができます。
家族旅行では「1人の料金」ではなく
「家族全体の総額」で選ばれる
例えば夫婦2人だけの旅行なら、ホテル代が1泊2万円なのか、2万2000円なのか、という比較をするでしょう。
しかし子どもが2人いる家族なら、宿泊料金だけでは判断できません。ホテル代+大人2人分の食事+子ども2人分の食事まで含めて、「家族4人でいくらかかるか」を考えます。
そこで、「子どもの食事は無料」となれば、ホテルそのものの料金が最安値でなくても、「家族全体ではこっちのほうがお得かもしれない」と感じます。
つまり無料にしているのは、子どもの食事だけです。しかしその効果は、ホテル全体の価格評価まで変えるのです。
子どもを無料にしても、
大人の注文は残る
子どもだけで無料の食事を受け取れるわけではありません。ホテルに宿泊している大人と一緒にレストランを利用し、大人は通常料金のメニューからメイン料理を注文する必要があります。ここが重要です。
例えば家族4人なら、子ども2人の料理は無料でも、大人2人分の料理、飲み物、追加メニュー、デザートなど、別の売上が生まれる可能性があります。
もしこのサービスがなければ、家族は、「夕食はホテルの外で安い店を探そう」「コンビニで済ませよう」と考えるかもしれません。
しかし、「子どもが無料ならホテルで食べよう」となれば、本来ホテル外へ流れていた大人の食事代までホテル内に残せるわけです。
「無料」がレストランへの来店理由になる
ホテルに宿泊しても、必ずホテル内のレストランを利用するとは限りません。周辺には、ファミリーレストラン、居酒屋、ショッピングモール、コンビニなど、多くの選択肢があります。
特に家族旅行では、「子どもが食べられるものがあるか」「家族4人だと高くならないか」という不安があります。
そこで、「子どもは無料」「専用のキッズメニューがあります」と分かれば、外へ店を探しに行く必要が小さくなります。
つまり無料サービスは、単なる値引きではありません。宿泊客をホテル内レストランへ誘導する集客装置でもあるのです。
「子ども歓迎」が
ホテル全体の選ばれる理由になる
家族旅行では、親だけがホテルを評価しているわけではありません。子どもが、「このホテル楽しかった」「また行きたい」と言えば、次の旅行先選びにも影響します。
このホテルでは、子どもの食事無料だけでなく、対象プランや利用条件を満たした場合、子どもの宿泊も無料にしています。
するとお客様の頭の中で、「安いホテル」ではなく、「子ども連れでも利用しやすいホテル」という位置づけができます。これは価格競争とは違います。
家族旅行ならここというカテゴリーを取りにいく仕掛けなのです。
子どもの食事は
「無料にする対象」として相性がいい
すべてを無料にする必要はありません。大人の食事まで無料にすれば、当然負担は大きくなります。
しかしキッズメニューなら、料理の量や内容をあらかじめ設計しやすく、対象人数にも条件を付けられます。
その一方で、親にとっては、「子ども2人分が無料」というメリットは分かりやすく感じられます。つまり、お店側の負担以上に、お客様が大きな価値を感じやすいものを無料にすることがポイントなのです。
無料にする商品は、単価だけで決めるのではありません。「それを無料にすると、何人分の購入を動かせるのか」で考える必要があります。
他のお店でも使える
「一人を無料にして、グループ全体を獲得する」設計
この考え方は、ホテルだけではありません。
・飲食店
「大人2名のコース注文で、小学生以下のキッズプレート無料」とする。子どもの料理で利益を取るより、家族全体の来店先として選ばれることを優先する。
・レジャー施設
「大人2名入場で未就学児1名無料」とする。子どもの入場料を無料にすることで、家族全体の行き先候補に入りやすくする。
・スクール・体験教室
「親子参加の場合、子どもの体験料無料」などを用意する。一人分を無料にして、家族単位でサービスを体験してもらう。
まとめ
この仕組みを販促の観点から整理すると、
・家族旅行では宿泊料金だけでなく「家族全体の総額」で比較されるため、子ども無料でホテル全体を割安に見せる
・子どもの食事を無料にする代わりに、大人には通常料金の料理を注文してもらう
・ホテル外へ流れる可能性があった家族を、ホテル内レストランへ呼び込む
・「子ども歓迎」という印象を作り、家族旅行の宿泊先として選ばれる理由を作る
・一部の商品を無料にすることで、家族全体の宿泊費・飲食費という大きな売上を取り込む
という、「子どもの食事代を取らない」のではなく、「子どもを無料にすることで家族全体をお客様にする」販促の仕掛けなのです。
販促コンサルタント
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