AIブームの終焉時期を見極める方法2000年1月にコマーシャル撮影中のペッツ・ドット・コムの人形。同社は同年11月に廃業した。  Photo:Bob Riha Jr./gettyimages

 人工知能(AI)ブームが始まったほぼその時から弱気筋は、このブームが悲惨な結末を迎えるに違いないと警告し続けてきた。四半世紀以上前のドットコム・バブルや2000年代半ばの住宅バブルと同じ道をたどる、と。

 米AI新興企業オープンAIの「チャットGPT」の一般公開からほぼ4年がたった今も、AIブームは続いている。強気筋はいまだに踊り続けており、投資家は音楽が止まりそうな気配がないか耳を澄ませている。

 今後問題となりそうな要因はいくつもある。例えば、契約済みのデータセンターはどれも十分な電力を確保できていない。データセンター全体を支えられるだけの有料顧客を獲得できない可能性もある。また、最大手のAIモデル開発企業自体が新興企業によって「破壊」されるかもしれない。金利の上昇によって借り入れコストが法外な水準に膨れ上がることもあり得る。そして最も劇的なシナリオは、AIエージェントが暴走し、全人類を破滅させるというものだ。

 それでも新たな資本がAIトレードに流れ込み続けている。当然のことのように思えるが、そこにこそ最大の脆弱(ぜいじゃく)性がある。

 ブームがいつまでも続くためには、新規資本が流入し続ける必要がある。歴史が示すように、新たな資金調達の機会が閉ざされた瞬間に好況から不況へと転じ始めることがある。転換点は突如として訪れることもあれば、じわじわと破滅に向かう形でやってくることもある。しかし、まだその段階には至っていない。

 その間に注視すべき一つのシグナルがある。それは、「ファンディング・ギャップ(資金不足)」という言葉がマーケット用語として復活するかどうかを見ることだ。ファンディング・ギャップは「バーン・レート(資金燃焼率)」とともに、ドットコム・バブルがはじけ始めた2000年に金融用語の仲間入りを果たした。