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あるブログ記事が拡散され、23日にウォール街の話題をさらい、投資家の間で動揺が走った。ニュースレター配信プラットフォーム「サブスタック」で最も人気のある金融ブログの記事だった。
ジェームズ・バン・ギーレン氏率いる調査会社シトリニ・リサーチは、2023年からマクロ経済およびテーマ別株式調査の公開を開始。人工知能(AI)や肥満症治療薬に早期から焦点を当てたこともあり、シトリニはカルト的な支持を獲得してきた。
22日付で公表したリポートの発行日は「2028年6月」となっており、未来から届いた架空のマクロ経済調査リポートという設定だ。著者らは「これまで比較的掘り下げられてこなかったシナリオ」を描いたものだとした上で、「予測ではない」とただし書きした。それでも現実世界の企業への懸念は止まらず、リポートで名指しされたドアダッシュ、ビザ、マスターカード、サービスナウ、ブラックストーン各社の株価は23日に急落した。
以下にリポートの主な4つのポイントを挙げる。
AIコード生成が招くソフトウエア価格競争
AIのコード生成能力における最近の進歩は、エンジニアたちを驚愕(きょうがく)させている。シトリニは、ほぼ全てのコードがAIによって自動生成され、かつて数千人のエンジニアが数カ月かけて構築していた製品や機能が、わずか数時間で開発可能になる世界を想定している。
シトリニが描く未来では、これまで大手企業との契約を容易に更新・増額することができたソフトウエア企業は、新たな競争と価格圧力に直面することになる。顧客側はAIを使って自前ツールを開発すると迫り、自社に有利な条件を突きつける可能性がある。あるいは、すでにブランド認知度を誇る競合他社がクローン製品を容易に投入できるようになり、企業が自社製品で競合他社との差別化を図る能力はほぼ消失する可能性がある。
ソフトウエア企業の業績の急激な悪化は、非公開市場(プライベート・マーケット)にも波及する可能性が高い。プライベートエクイティ(PE)投資会社は、ソフトウエア企業の安定した収益が今後も成長することを見込んで、レバレッジド・バイアウト(LBO)の標的とすることが多かった。だが、一部の非公開のソフトウエア大手は2027年までに債務不履行(デフォルト)に陥り始めるとシトリニはリポートに記している。







