風邪をひいたとき、私たちの体内ではいったい何が起きているのだろうか。ウイルスや細菌などの病原体が侵入すると、身体はただ攻撃されるのを待っているわけではない。病原体の侵入を防ぎ、見つけ出し、排除するために、「免疫系」という防衛システムが働き始める。普段は目にすることのできない、私たちの身体を守る仕組みを『アメリカの中学生が学んでいる 14歳からの生物学』から紹介する。(ダイヤモンド編集局)

風邪をひいて鼻をかんでいる女性Photo: Adobe Stock

病原体から身体を守る「免疫系」とは?

免疫系は、感染や病気と戦って身体を守ってくれている。
いわば私設軍として、有害な侵入者と戦っている。

一部の病気は、細菌やウイルスなど感染性の寄生体、いわゆる病原体によって引き起こされる。
病気はすべて、身体の正常な働きを妨げる。

病原体は、ヒトが接触するあらゆるもの、たとえば食物や、さらにはほかのヒトから感染する。

感染性の高い病原体は、ヒトだけでなくどんな生物にも容易に感染しかねない。

ある特定の病原体に感染しても、何ら害を受けない生物が数多くいる。
そのような生物を、その病原体のキャリアという。

たとえば蚊は多くのウイルスによって害を受けないが、ヒトの血液を吸ったときにそのウイルスをヒトの体内に送り込んでしまう場合がある。

病原体が侵入すると、免疫系はどう動く?

病原体は非常に危険なため、害をおよぼす前に見つけ出して除去する必要がある。
それが免疫系の役割である。
免疫系は病原体の存在を検知して、それに反応する。
この2つの作用をまとめて免疫応答という。

病原体に感染すると、免疫系は「その病原体を殺す」「その病原体が身体の恒常性に影響をおよぼすことを防ぐ」という2つの目的のために働く。

身体を守る「2段階の防衛線」

この目的を達成するために、免疫系は2段階の防衛線を張っている。
第1段階は、病原体が体内に侵入するのをできるだけ防ぐ物理的防御。
第2段階は、体内に侵入した細菌などの病原体を、白血球が食べたり破壊したりするという方法。
白血球は、第1防衛線が病原体に突破されて初めて活性化する。

「侵入者」を見つけるもの、破壊するもの…5種類の白血球

白血球にはおもにリンパ球、好中球、単球、好酸球、好塩基球の5種類がある。
リンパ球は病原体を検知する。
そして、病原体が検知されると、いち早く感染部位にやって来る細胞が好中球だ。

単球は病原体の破壊を担うとともに、死んだ細胞や古くなった細胞を片付ける役割を持っている。

好酸球は一部の細菌や病原体を破壊し、好塩基球はアレルギー反応を引き起こす物質であるアレルゲンに対抗しようとして、ヒスタミンという化学物質を放出し、さまざまな防衛部隊に警報を発して血管を拡張させる。