部下から「今回の評価、納得できません」と言われたとき、どう返すでしょうか。評価の根拠を説明する、制度の仕組みを伝える――もちろん、それも必要です。しかし、会社の評価だけでは、その人の働きぶりをすべて拾いきれないことがあります。そんなとき、部下の努力を日々見ている上司だからこそ、伝えられる言葉があります。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、評価に納得できない部下に上司が伝えたい一言について解説します。

部下に「評価に納得できません」と言われたとき、上司がやるべき一言・ベスト1Photo: Adobe Stock

上司には伝えるべきことがある

部下から「評価に納得できません」と言われたとき、多くの上司はまず評価結果を説明しようとします。
「この項目がこうだったから」「今回はこの評価になっていて」――間違いではありません。
でも、それだけでは部下の気持ちが収まりにくいことがあります。

そんなとき、まず伝えてほしいのが、次の一言です。

「会社の評価だけが、君の仕事のすべてを表しているわけじゃないよ。数字には出ていないけど、私はちゃんと評価しているよ」

評価制度には、拾いきれないものがある

どれだけ精密な評価制度をつくっても、現場で起きているすべてを反映することはできません。

会社が「売上数字」を重視すると、お客さんとの信頼関係づくり、チーム内のサポート、新人の指導
――こうした貢献は数字には出にくい。

また、同じ成果でも、評価する上司によって見方に差が出ることがあります。
どちらが正しいというより、人が人を評価する以上、ある程度のズレは避けられません。

だからこそ、現場のリーダーには「制度とは別の視点」で部下を見る役割があります。

制度では届かないところに、言葉を届ける

もちろん、現場のリーダーができることには限界があります。給与や昇進を決める権限はないかもしれません。人事制度を変えることも難しいでしょう。

それでも、部下の努力を認める言葉をかけることはできます。
制度では評価されにくい貢献を、上司である自分はきちんと見ていると伝えることはできます。

「会社の評価では反映しきれないけれど、君のお客さん対応は本当によかった」
「数字には出ないけど、新人の田中さんをよく指導してくれて、チーム全体が助かっている」

こうした一言が、部下にとっては「自分の努力を見てもらえていた」という実感になります。
制度上の評価とは別に、上司から直接伝えられる“心の評価”です。

制度では拾いきれない努力を見つけ、言葉にして伝える。
それも、大切な“リーダーのふるまい”です。