部下の横領が発覚したとき、上司は何を伝えるべきなのでしょうか。「なぜこんなことをしたんだ」と責めるだけでは、本人が自分のしたことと向き合うことにはつながらないかもしれません。もちろん、横領という行為を曖昧にしてはいけません。その責任をきちんと伝えたうえで、部下と向き合ってきた上司だからこそ伝えられる言葉があります。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、横領した部下に上司が伝えたい一言について解説します。
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横領は、思っているより身近な問題
社労士業をしていると、関与先から横領の報告を受けます。
おそらく多くの人が思っているより、横領は身近な職場問題です。
横領した本人には、深く反省している人もいれば、十分に反省していないように見える人もいます。
実際には後者のケースも少なくないと感じています。
では、横領した部下に、上司としてどのような声をかければいいのでしょうか。
責任と本音、両方を伝える
横領が発覚したとき、上司は怒りや失望を感じます。それは自然なことです。
「なぜこんなことをしたんだ」「信じられない」と思うのも無理はありません。
ただ、感情をぶつけるだけでは、上司として伝えるべきことが伝わりません。
本人に責任を受け止めてもらうこと、会社の確認にきちんと協力してもらうこと、そして、上司としての本音を伝えること。
この三つが大切です。
たとえば、こんな風に伝えるとよいでしょう。
「何か事情があったのかもしれない。でも、今回やったことについては、きちんと自分の責任として受け止めて、反省してほしい。会社の確認にもきちんと協力してもらいたい。ただ、私が残念なのは、そこまで困っていたのなら、その前に相談してほしかったということなんだ。相談されたからといって、私に何とかできたかはわからない。でも、一緒に何ができるかを考えることはできたと思う。信用していただけに、私自身もショックを受けている。今回のことはしっかり受け止めて、これから同じことを繰り返さないでほしい」
「上司自身の本音」がポイント
横領をかばっているのではありません。悪いことは悪いと伝えながら、それでも上司として伝えておきたい気持ちを言葉にしている、ということです。
「相談してほしかった」という言葉は、本人への責任追及ではなく、上司自身の本音です。
相談されたからといって必ず解決できたとは限らない。それでも、一緒に考えることはできたかもしれません。
注意したり、責任を伝えたりするだけでは、心から反省してもらうのが難しいこともあります。
今回のことを自分自身の問題として受け止めてもらうためには、相手の心に届く言葉も必要です。
だからこそ、上司自身の「相談してほしかった」「信用していただけにショックだった」という本音を、きちんと言葉にすることが大切です。
横領をした事実だけを見て突き放すのではなく、反省を促しながら、上司自身の本音も添える。
それが、部下と向き合ってきた上司にできる“ふるまい”だと思っています。








