「定年後、急に人付き合いが減ってしまう」。そんな人は、定年を迎えてから人間関係を失うとは限らない。実は50代のうちから、昔の友人との距離が少しずつ広がっていることがある。職場で責任ある立場にいる時間が長くなるほど、その感覚をプライベートにも持ち込みやすくなるからだ。本人は気づかないままでも、周囲は少しずつ居心地の悪さを感じているかもしれない。では、50代ですでに「定年後の孤独」が見えてしまう人には、どんな特徴があるのだろうか。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、その理由を解説する。

【50代が肝】「定年後、間違いなく孤独になる人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

昔の同級生と会ったのに、なぜか昔のように話せない

久しぶりに学生時代の友人と集まった。なのに、どこかぎこちない。笑いはあるのに、昔のような気軽さがない――帰り道に、そんな感覚を覚えたことはないでしょうか。

原因が自分にあるとは、なかなか気づきにくいものです。

50代になると、職場では管理職や責任ある立場についている人も増えます。
毎日、部下から敬語で話しかけられ、判断を求められ、周囲から役職者として見られる。
その感覚が長く続くと、プライベートでも自然に持ち込まれることがあります。

昔の友人と会ったとき、「自分は今こういう役職で」「部下が何人いて」「最近こんな仕事を任されていて」という話が中心になっていないでしょうか。
あるいは、友人の話に対して、無意識に“上から評価する側”になっていないでしょうか。

昔の友人と会えば、あだ名や距離感に戻るのが自然

本来、昔の友人や同級生と会えば、当時のあだ名や距離感に戻るものです。
役職も年収も関係なく、「あの頃の自分たち」に戻れる場所が、昔からの人間関係の良さでもあります。

それなのに、なぜかその切り替えができない人がいます。

本人は自慢しているつもりはない。ただ近況を話しているだけのつもりです。
でも相手からすると、「なんか、昔の感じで話せないな」「会社の人と話しているみたいで少し疲れる」と感じることがあります。そして次第に、誘われる回数が減っていきます。

定年後に残るのは、肩書きではなく関係

出世した人がよくないという話ではありません。
仕事での立場と、昔からの人間関係を切り替えられるかどうかの話です。
部下にも、ときどきこんなことを伝えてみてください。

「役職は会社のなかだけだよ。昔の友人と会うときは、仕事上の立場を持ち込まないほうがいい。定年後に残るのは肩書きじゃなくて、それまでにつくってきた人間関係だから。」

目の前の仕事を教えるだけでなく、部下が役職や立場にとらわれすぎないよう、ときにはこんな言葉をかける。そうしたアドバイスも、上司の大切な“ふるまい”です。