お客様の立場に立ち、お客様のニーズをつかみ、それらを新製品やサービスに生かし、そして販売する。それが出来なければ、どんな大企業でも、また個人商店であっても自らを維持・発展させていくことはできません。お客様の立場に立つ、このことは企業活動・営業活動において、説得テクニックを使う上での基本中の基本、すなわち原理・原則なのです。

「絶対に売る」
という気迫をもつ

 営業で何よりも大切なことは「絶対に受注する」「絶対売る」という気迫、モチベーションをもつことです。モチベーションを持続するためには、受注する、売るといった強い気持ちを支えてくれる戦略・戦術、技法を考える必要があるでしょう。

 たとえば、対人魅力を使って、「この人はいい人だ。役に立ってくれそうだ」と相手が思ってくれれば、商談は成立しやすくなるでしょう。あるいは、「この商品しかない」という説得法の1つである「限定テクニック」を使うことも有効でしょう。

 また、モチベーションを高めるためには、営業という仕事を好きになることです。一生懸命営業をしていると、営業が好きになる。営業が好きになればモチベーションが高まる。そうした好連鎖を生み出していくことが、説得上手になる第一歩です。悪い連鎖にはまると、成績が伸びない→やる気をなくす→クビになるという最悪のシナリオが待っています。

 そして、交渉・説得は自分のことばかりではなく、相手の目線で考えることが大切になります。ともすれば、交渉・説得というと自分の側に相手を引きずりこむ、相手を言い負かす、言いくるめることだけを考えがちですが、交渉とは当事者間のお互いの目的を実現させようとする意図のもとに妥協点を見出すためのものであり、説得を応酬しあうプロセスです。「敵を知り、己を知れば、百戦あやうからず」という孫子の言葉は、説得交渉においても少しも古びてはいないのです。

 有能な営業マンが自ら創出した攻略法・説得法は、彼らが有能だからできるのでしょうか。確かに個人的な体験に裏づけられ、身体で学んだ方法は、だれもができるとは言い切れません。でも、これから紹介する説得法は、だれにでもできます。なぜなら、説得を「科学」していくからです。あなたはすでに営業のバイブルの扉を開いているのです。

 それでは次回から、「説得力を向上させる6つのステップ」を具体的な事例とともに紹介していきます。