完璧を求めすぎて仕事を終えられない。やらなければいけないことを先延ばししてしまう。そんなときの対処法を、『おい、とりあえず終わらせろ』の著者、nwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえず終わらせろPhoto: Adobe Stock

3回出すと、見える景色が変わる

 自信がない人ほど、大きな成功を待ってしまいます。

「一発で褒められたら、自信がつくはずだ」と。

 でも実際は逆でした。大きすぎる成功は、再現できるかどうかがわからないのです。

 その点、60点のものを3回出した人は、100点を夢見続けた人よりはるかに遠くにいます。

 1回目は、自分が何をわかっていないかがわかる。2回目は、相手が何を求めているかがわかる。3回目で初めて、自分の判断で取捨選択できる状態になります。

 つまり、「無知→理解→判断力」という段階を踏んでいるのです。

 100点を夢見る人は、1回目の「無知を知る」段階にすら到達していません。

 私の場合、インシデントログの分類資料でそれを実感しました。

 1周目で返ってきたのは、「方向性はいい。ただ、分類の根拠が弱い」という指摘です。「そこまで要るのか」と思いましたが、過去1年分のログを引っ張ってみると、自分の分類と実態がズレている箇所が2つ見つかりました。

 あのまま出していたら、定例会議で突っ込まれて止まっていたはずです。

 2周目は、「改善の効果を測る指標がほしい」という指摘。アラート件数の推移と対応時間の中央値を据えて出し直すと、これでOKとフィードバックが来て、背中の力が抜けました。

 1周目には「データの正確さ」しか見えていなかったのに、2周目で初めて「運用担当者が朝何を確認するか」という視点が入ったのです。

 同じ改善案なのに、見える景色が変わっていきました。

自信とは、気分ではなく「再現性」

 ここで言う自信は、「なんとなく前向きでいられる気分」ではありません。

 もう1回やれと言われたときに、たぶんできると思える感覚です。気分よりも、再現性に近いものです。

 私の場合、1回目は「たまたま」と受け取りました。2回目で「偶然ではない」と感じ、3回目あたりから「これは自分のやり方として使える」と思えるようになりました。

 週次でチームに進捗報告を出して4週目のこと、「方向性はいい」と言われたとき、ふと「たぶん次も出せる」という感覚が生まれました。

 それまでは毎回「今回は通るだろうか」と問い直していたのに、その不安がなくなったのです。

 一度だけうまくいった経験では、まだ心は動きません。「今回は相手が優しかっただけかも」と疑います。

 でも、小さな提出と修正のサイクルを何回か回すと、身体が覚えます。次に似た場面が来たとき、ゼロから勇気を振り絞らなくて済むのです。

狙うのは何度も打てるシングルヒット

 だから、狙うべきは派手なホームランではありません。

 何度も打てるシングルヒットです。

 もしあのまま抱え込んでいたら、何週間たっても「できた」は来なかったでしょう。

 60点のドラフトを出し、フィードバックをもらい、データを補強して再提出する。そのループで、「できた」が積み重なりました。

 新しいことに踏み出すときは、今週中に「60点」を1回出してみてください。

 来週、もう1回。3回目には、景色が変わっているはずです。