企業の決算を分析するとき、売上高や利益に注目する人は多いでしょう。しかし、利益が出ているからといって、手元に十分な現金があるとは限りません。そこで重要になるのが「キャッシュフロー計算書(CF)」です。今回は書籍『サンキー図で「お金の流れ」が1秒でわかる 見るだけ決算書』から、CFの意外な面白さを紹介します。
CFでしかわからない1つのこと
キャッシュフロー計算書(CF)とは「今年はどんな現金収入と現金支出があったのか」「その結果、手元の現金残高(キャッシュ)は増えたのか減ったのか」を示す書類であり、これを読み解くことで「企業の資金繰りの実態」つまり「手元に現金は十分あるのか?」がわかります。
ここまではよく知られていますが、実は企業の金銭感覚がCFからわかることはあまり知られていません。これがCFを読み解く醍醐味です。実は、CFはかなり重要な書類なのです。
しかし、BSやPLと比べると、CFは単純で面白くない書類と思われている節があります。数字の羅列だけを見ると、各取引によって「お金が増えた・減った」はわかっても、その動きが企業にとってどれほど重いのか、どれほど攻めた判断だったのかまではつかみにくいからです。
「企業の金銭感覚」がわかる
例えば、あなたが500万円の自動車を購入するシーンをイメージしてください。あなたにとって500万円の買い物が「買っても大丈夫そう」なのか「やめておいたほうが良さそう」なのかは、自分でざっくり見当をつけられますよね。それは、あなたが自分の経済力(貯金や収入)を把握していて、それと照らし合わせることで、500万円の買い物が口座残高にどれくらいのダメージを与えるのかをリアルにイメージできるからです。
一方、これが企業の話となると、急に数字が大きくなってイメージが追いつきません。例えば、現金残高159,461(百万円)の会社が86,621(百万円)の投資をしたとき、それが「事業の稼ぎや口座残高から見て無理のない投資」なのかどうかは、数字だけではつかみにくいですよね。ここで企業のリアルなお金の動きをまとめたCFが活きてくるのです。
キャッシュフロー計算書も、サンキー図でわかる
次の図は、オリエンタルランドのCFをサンキー図にしたCFサンキー図です。
オリエンタルランドCF(2025年3月期)
CFをサンキー図にすることで「それぞれのお金の動きが、財務状況にどれほど影響するのか?」が推測できるようになります。
言い換えると「手元の現金に対して、どれだけ稼ぎ、どれだけ使っているか」が規模感を伴って見える化されるため、個人とはかけ離れた巨大な金額のやりくりであっても、まるで自分ごとのように捉えられます。CFサンキー図からは、その企業の経営陣が持っている経営感覚に近いものをつかむことができます。
企業のCFを、自分ごとのように捉えられるかどうかで、企業経営への理解に雲泥の差が生まれるのです。
注:正式には「キャッシュ・フロー計算書」であるが、本記事ではわかりやすさを優先し、単に「キャッシュフロー計算書」と表記する。また、非上場企業を中心とした中小企業は、キャッシュフロー計算書の作成が義務付けられていないため、BSとPLのみを作成する企業が多い。






