「何度勉強しても、決算書がわからない」。決算書には、売上高や利益、資産や負債など、さまざまな数字が並んでいます。しかし、これらの数字はすべて同じ性質を持っているわけではありません。財務3表を理解するうえでは、数字そのものを見る前に知っておきたい「ある重要な違い」があります。書籍『サンキー図で「お金の流れ」が1秒でわかる 見るだけ決算書』より紹介します。
会計の「ストック」と「フロー」を知る
財務3表を読み解くときの重要な土台となる、ストック情報とフロー情報の違いを押さえていきましょう。まず、それぞれの特徴は次の通りです。
ここで大切なのは、ストックとフローという2種類の情報のあいだにはある法則があることです。この法則を財務3表に当てはめると、こうなります。

BS(ストック情報)は「2025年3月31日」「2026年3月31日」といったある日時点の情報をまとめた書類です。一方でPL・CF(フロー情報)は「2025年4月1日から2026年3月31日まで」といったある一定期間の情報をまとめた書類です。前期と今期のBSの変化を、PLとCFが説明しているともいえます。
端的に言うと、「ストック情報の変化は、フロー情報によってもたらされる」のです。
PLは「1年」の動きを表す
ストック情報を見れば「これまで積み重ねてきた結果、その時点ではどうなっているのか?」がわかり、フロー情報を見れば「その期間に何が起きたのか?」がわかります。
一般的には、PL(損益計算書)に載っている年間の売上高や利益など「事業の調子が良さそうか?儲かっているか?」がすぐにわかるフロー情報に注目が集まりがちです。新聞やニュースでも、総資産などBSの項目について触れられることは少ないですが、売上高や利益などPLの項目は毎日のように登場します。
しかし、フロー情報だけを見ていると、たまたま業績が良かった1年だけを見て「優良企業だな」と判断してしまう恐れがあります。そのような早合点を避けるためにも、これまでの積み重ねを示すストック情報を合わせて読み解くことが重要になります。
BSは「その結果」を表す
PLやCFが「その期間に何が起きたのか」を示すのに対し、BSは「その結果として今どうなっているのか」を示す書類です。この違いを意識して読むことが、財務3表を正しく理解するための出発点になります。(注:厳密には、CFにも一部ストック情報が含まれているが、ここではわかりやすさを優先し、フロー情報と区分している。)
「ストックとフローの違いなんて今まで意識したことがなかったかも……」という人も多いかもしれませんが、
このストックとフローの違いを押さえておけば、財務3表のつながりもぐーんと理解しやすくなります。
サンキー図で「ストック」「フロー」がつながる
財務3表のつながりは、サンキー図で次のように表せます。

サンキー図で読む時も、「今見ているのはストック情報か、フロー情報か」をできるだけ意識しながら読み進めてください。財務3表を学ぶ前にこの法則を知っておけば、混乱しそうな場面でも情報を冷静に見つめ直すことができます。
ストックとフローについてわからなくなった時には、いつでも何度でもこの図に戻ってきてください。






