2026年4月1日、ソフトバンクGはOpenAIへ100億ドルを追加出資しました。日本円では、約1.6兆円にのぼります。ただ、「100億ドル」「1.6兆円」と数字だけを聞いても、会社にとってどれほど大きな支出なのかはなかなかイメージが湧きません。
そこで本記事では、書籍『サンキー図で「お金の流れ」が1秒でわかる 見るだけ決算書』に登場する図解「サンキー図」で、2026年6月末までの3カ月間を対象としたキャッシュフロー計算書を見える化し、OpenAIへの出資がソフトバンクGの手元資金に対してどれほどの規模だったのかを見ていきましょう。
3カ月間で2.5兆円を投資
ソフトバンクG 2027年3月期第1四半期CFサンキー図
2026年4~6月、ソフトバンクGの投資CFは2.5兆円のマイナスでした。
OpenAIへの出資1.6兆円は、この投資CFの6割強に相当します(サンキー図では有価証券の取得額から売却額を差し引いているため、有価証券の帯は1.29兆円となっています)。
ほかにも、米国の発電施設やデータセンター関連資産の取得などに1.2兆円を支出しました。OpenAIへの出資が注目されがちですが、固定資産にも1兆円を超える資金を投じていることがわかります。
結果として、OpenAIへの出資を中心に、わずか3カ月間で2.5兆円を超える資金が、投資によって社外へ流出しました。
家計なら、預金100万円から30万円を投資
それでは、OpenAIへの出資1.6兆円は、ソフトバンクGにとってどれくらいの規模だったのでしょうか?家計に置き換えて考えてみましょう。

2026年3月末にソフトバンクGがグループ全体で保有していた現金約5.4兆円(=期首残高。画像右側灰色部分参照)を、仮に100万円とみなします。そうすると、OpenAIへの1.6兆円の出資は約30万円に相当します。
これについて「まだ出資する余裕がある」と見るか、「一社に資金を集中させすぎている」と見るかは、投資に対する考え方によって異なります。
ただ「手元にある100万円のうち、30万円を一つの投資先へ振り向けた」と考えると、その大きさをイメージしやすくなるはずです。
サンキー図でキャッシュフロー計算書を俯瞰することで、巨額の出資や設備投資などが、会社のお金の流れにどれくらいの影響を与えたのかを自分ごととして捉えられます。
追加出資は現金残高の8割超
OpenAIへの出資について、今回の決算に反映されているのは、2026年4月に実行した100億ドルの出資までです。
ソフトバンクGは、OpenAIに対して7月にさらに100億ドルを出資し、10月にも100億ドルを出資する予定です。合わせて約3.2兆円です。これに対して、2026年6月末時点での現金残高は約3.9兆円であり、追加出資3.2兆円はその8割強にあたります。

単純に手元資金だけで3.2兆円を支払うと、残る現金は約0.7兆円まで減る計算です。さすがに心許なく見えます。
もっとも、ソフトバンクGは手元資金だけでこの出資をまかなうわけではありません。実際、7月の100億ドルについては、同額のブリッジローン(長期的な資金調達までのつなぎ融資)で調達し、出資しました。
巨額投資のニュースでは、投資額そのものが話題になりがちです。しかし、キャッシュフロー計算書を俯瞰できれば、実際にいくら現金が出ていき、それが現金残高に対してどれくらいの規模だったのかまでわかります。
OpenAIへの出資が今後、ソフトバンクGのお金の流れをどう変えていくのか。第2四半期以降の決算にも注目です。






