頼まれた仕事をきちんとこなしている。それなのに、なぜか周囲からの評価が上がらない。一方で、同じように仕事をしていても、「またこの人にお願いしたい」と信頼され、次々とチャンスをつかむ人もいる。その違いは、仕事の能力だけではないのかもしれない。周囲から一目置かれる人は、何を意識しているのだろうか。『仕事・人間関係で損する人、得する人』(伊庭正康著)をもとに、ライター・清家茂樹氏に寄稿いただいた。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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指示どおりにやっただけでは評価されない
仕事では、「いわれたことをきちんとやる」ことが大切だと思われている。もちろん、それ自体は間違っていない。指示を無視して勝手なことをする人が、評価されるはずもない。
ただ、それだけでは、本当の意味で「仕事ができる人」にはなれないのかもしれない。著者は、仕事の進め方について、こんな対比を示している。
――『仕事・人間関係で損する人、得する人』より
「指示」と「願望」は、似ているようで少しちがう。
指示とは、相手から具体的に頼まれたこと。
一方の願望とは、その指示の奥にある「本当はどうしてほしいのか」ということだろう。
編集者に言われた「意外なこと」とは?
わたし自身、この考え方には思いあたることがある。
以前、プロ野球のコラムを書きはじめたころ、ある選手のミスを批判する原稿を書いた。自分としては、事実をもとに問題点を指摘したつもりだった。
ところが、編集者からいわれたのは、思ってもみなかったことだ。
「プロ野球選手というのは、野球をやってきた人なら誰もが一度は憧れた職業だ。プロにまでたどり着けるのは、ごく一部の人間しかいない。だからこそ、選手に対するリスペクトを絶対に忘れてはいけない。読者だって、ただ選手をたたく記事を読みたいわけではない」
その指摘を受けて、「なるほど」と思った。
わたしとしては、選手のミスを正確に指摘することも読者にとって意義のあることだと考えていたが、編集者が求めていたのはその先だったのだ。
ベスト1:相手の「ここまでやってくれるのか」を見抜く
それ以来、たとえ選手のプレーについて厳しいことを書く場合でも、最後には「この選手ならきっと乗り越えられる」といったポジティブな要素を入れるようになった。
これは、単純に批判をやめたという話ではない。
担当編集が求めているものはなにか、読者が読みたいものはなにかを考えるようになったということだ。
相手の「本当にしてほしいこと」に気づけるかどうか。それが「評価される人」の分岐点
著者は、本項のまとめとしてこう記している。
――『仕事・人間関係で損する人、得する人』より
「資料をつくって」といわれたら、資料をつくる。
「記事を書いて」といわれたら、記事を書く。
それだけなら、指示には応えている。
でも、「なぜ、この資料が必要なのか」「この記事を読んだ人になにを感じてほしいのか」まで考えれば、もう一歩踏み込んだ仕事ができる。
いわれたことを正確にやったうえで、その先にある相手の「本当はこうしてほしい」に気づけるかどうか。
仕事で評価される人とそうでない人の差は、そんなところにあるのかもしれない。








