顔写真に加わった
新しい使い道
――AIが発達したことで、免許証画像の危険性も変わってきたのでしょうか。
なりすましに使われる可能性は、考えておく必要があります。ディープフェイクなどの技術が発達すると、犯罪者も顔写真を使って他人になりすましやすくなります。
さらに、免許証には名前や住所などが載っていますが、そこに顔の情報もある。文字情報だけの個人情報とは違う使い方ができるということです。画像の持つ意味が、技術の発達によって変わってきていると考えています。
――では、最近は顔写真を狙う情報漏洩が増えているのでしょうか。
「画像を狙う事件が増えている」と、統計的な事実として断定はできませんが、技術が発達したことで、容貌をなりすますために使える情報への関心が高まっているのではないか、と考えています。今後、顔写真を意図的に狙ったサイバー攻撃が増える可能性は十分に想定されます。
最新技術だけに
気を取られない
――免許証画像が流出した人が、最も警戒すべきなのはディープフェイクですか。
ディープフェイクも要警戒ですが、それだけではありません。むしろ、流出した個人情報を使って「自分のことを知っている相手だから信用できる」と思わせる詐欺手口が、まず考えられます。
電話で本名を呼ばれたり、自分の住所を言い当てられたりすると、「この人は私のことを知っている」と思ってしまいますよね。その情報が、詐欺の話を信じさせる材料になります。高度な映像技術を使わなくても、個人情報があることで、電話やメールの説得力を高められてしまうのです。
顔写真の流出が怖いという気持ちは分かりますが、画像以外の情報によっても危険は生まれます。「画像の流出は対象外だったから、自分はあまり気をつけなくてもいい」とは考えないでください。
――流出した個人情報を悪用した詐欺にあわないために、どのようなことに気をつければよいでしょうか。
相手が自分の情報を知っていても、それだけでは信用しないことです。送られてきたメッセージのURLから手続きせず、自分で公式サイトやアプリを開いて確認する。電話なら、公式に公開された番号を自分で調べて連絡する。まずは、そういう基本が大切です。
免許証の画像がどう悪用されるか、全て把握することはできません。でも、連絡してきた相手に言われるまま、さらに情報を渡してしまうことは避けられます。流出した情報を取り戻すことは難しいですが、ここから先は更なる被害を防ぐため、日頃からできる対策を強化していきたいものです。







