完璧を求めすぎて仕事を終えられない。やらなければいけないことを先延ばししてしまう。そんなときの対処法を、『おい、とりあえず終わらせろ』の著者、nwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえず終わらせろ決められないPhoto: Adobe Stock

 A案もB案も良さそうで、どちらを選んでも、もう一方を失う。

 調べるほど迷いが深くなり、決められないまま時間だけが過ぎていく。

 決める場面は、立場が上がるほど増えていきます。

 そんなとき、「慎重に考えているだけだ」と思っていないでしょうか。

 実は、決められない原因は、慎重さとは別のところにあることが多いのです。

「何を優先するか」が明確か

 決められないときは、主に2つのパターンがあります。

 ひとつは、どちらも捨てたくないとき。片方を選ぶと片方を失う。その「失う」が怖くて動けません。

 もうひとつは、判断基準がないとき。全部調べて、全部比較して、それでも決められません。

 どちらも、情報が足りないのではありません。「自分は何を優先するのか」が定まっていないのです。

 この状態は「ビュリダンのロバ」として知られています。

 2つの干し草の山の真ん中に立ったロバが、どちらを食べるか決められずに餓死する、という思考実験です。

 馬鹿げた話に聞こえますが、私も何度もこのロバになりました。

 選択肢が3つ見えた時点で、「もうひとつだけ」と4つ、5つと増やしていく。でも、残りの調査で判断が覆ったことは、ほとんどありませんでした。

「最善」を探すのをやめると、遠くまで行ける

 完璧な選択肢を求め続けると、永遠に決まりません。

「もっと良い選択肢があるかもしれない」という恐怖が、決断を先送りにするからです。

 私が楽になったのは、「最善」を探すのをやめて、「十分良い」を選ぶようにしてからでした。

 基準を先に決めて、それを満たす選択肢が見つかったら決める。全選択肢を比較し尽くすことはしません。

 これは妥協ではありません。「十分良い」で決めて動き始めたほうが、「最善」を探し続けるより、結果的に遠くまで行けるのです。

 なぜなら、動いた先で得た情報によって、次の判断はさらに精度が上がるからです。

宣言することで「決めた」状態になる

 ただ、決めたつもりでも、動けないことがあります。

 考えることと、決めることは違うからです。

 かつて、システムの設計方針を決める場面で、3日間、ホワイトボードの前に立っていたことがあります。案は3つ。でも、どれも一長一短で選べません。

 それ以来、「午前中に選択肢を3つ書き出す。午後にはそのうちひとつを選んで共有する」と、時間を区切るようにしました。

 考える時間に期限をつけないと、考える時間は、決めない時間に変わってしまうからです。

 そして、カレンダーに書き込む。宣言する。チームに共有する。

 そうして初めて、「決めた」ことになります。

 なぜなら、頭の中の決定はいつでも撤回できてしまうからです。コストがゼロなのです。

 カレンダーに書いた瞬間、撤回にはコストが生まれる。宣言すれば、さらにそのコストは上がります。

 これが、決定を決定として機能させます。

 決めたいなら、書き、話し、動くこと。

 すべての選択肢を比べ尽くす必要はありません。

 まずは今日の午前中に、選択肢を3つ書き出してみる。午後には、ひとつ選んで、誰かに伝えてみる。

 その行動が、「決められない」の打開策になるはずです。