IMFの2008年経済見通しで、日本の成長率は2.0%から1.7%に下方修正された。

 1%台の成長となると、想定以上の資源・エネルギー価格上昇や円高進行、政治の停滞や波乱、加えて米景気の鈍化の角度が厳しくなれば、リセッションが意識されるリスクもある。政府や日本銀行の見解で、枕詞のように出てくる「景気は良好」との文言も、徐々に神通力を失うことになる恐れがある。

 この低成長の国内に収益基盤を置く企業は、独占的なシェアや高い技術力、商品の企画・開発力、そして独自のビジネスモデルを持った企業でないと、満足のいく収益を上げられなくなる可能性がある。足元の企業業績の水準がそうとう高いことを考慮すると、来年の四半期のどこかで減益決算が想定されることになるかもしれない。