11×11から19×19までのかけ算を、筆算をせずに計算できる「おみやげ算」。簡単な2ステップで計算できますが、この計算法には、きちんとした数学的な根拠があります。おみやげ算が成り立つ仕組みを、『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』の著者で、11月発売の学習カード『小学生がたった1日で19×19まであそびながら暗算できるカードゲーム』を考案した小杉拓也氏が解説します。

「19×19までの暗算法」のおさらい
さっそくですが、19×19までの暗算ができる「おみやげ算」の計算法について説明します。
(例)14×18=
①14×18の右の「18の一の位の8」をおみやげとして、左の14に渡します。すると、14×18を、(14+8)×(18-8)=22×10(=220)と考えることができます。
②その220に、「14の一の位の4」と「おみやげの8」をかけた32をたした252が答えです。
まとめると、14×18=(14+8)×(18-8)+4×8=220+32=252です。
この2ステップで、例えば、11×15、16×12、19×19などの「十の位が1の2ケタの数どうしのかけ算」は、おみやげ算を使ってすべて計算でき、慣れると5秒程度で暗算もできるようになります。
「十の位が1の2ケタの数どうしのかけ算」がおみやげ算で計算できる理由
では、おみやげ算でなぜ「十の位が1の2ケタの数どうしのかけ算」の計算ができるのでしょうか。これを数学的に説明するために、中学校で習う文字式を使います。
x、yを1以上9以下の整数とすると、十の位が1の2ケタの2数は、10+x、10+yと表せます。
そして、この2つの数の積は、(10+x)(10+y)と表せます。これを展開すると、
(10+x)(10+y)=100+10x+10y+xy ……①
となります。
一方、同じ積を、おみやげ算で求めてみます。おみやげ算では、まず、右の数から左の数に、一の位の数のおみやげ(y)を渡します。それは、次のように表されます。
(10+x)(10+y) → (10+x+y)×10=100+10x+10y
次に、この結果に、「左の数の一の位(x)」とおみやげ(y)をかけた数xyをたすと、次のようになります。
100+10x+10y → 100+10x+10y+xy ……②
①と②が同じ式になりました。これが、おみやげ算で正しい答えを求められる理由です。
「おみやげ算で計算できる理由」を小学生に説明するには?
文字式での証明は中学数学の範囲ですから、これをこのまま小学生に説明するわけにはいきません。では、小学生にはどのように説明すればよいのでしょうか?
小学生には、長方形の面積図を使って、おみやげ算で計算できる理由を解説できます。その方法について、ここでは詳しい説明を省きますが、『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』の巻末に掲載しています。
また、カードを使ってゲーム感覚で練習したいなら、『小学生がたった1日で19×19まであそびながら暗算できるカードゲーム』を活用するのも1つの方法です。





