今、世界最先端のIT産業を支えているのは、インド人エンジニアたちです。なぜインドが多くの優秀なエンジニアを輩出しているか、その秘密はインド独特の算数教育に隠されています。インドの小学校の算数の授業は、日本の九九(くく)のようにただ暗記させるだけでなく、なぜそうなるかを考えさせる学習法が基本になっています。どのように計算したらより効率良く正しい答えを導き出せるか、子どもたち自身が考えながら学んでいくことで算数が面白くなり、さらに自発的に勉強が進むようになるわけです。この連載ではそのインド式計算法をわかりやすく学べる本『子供のインド式「かんたん」計算ドリル』の中から具体的な計算方法を紹介していきます。
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「わり算の速算」に挑戦しよう!
「わり算の速算」をするためには、まず、わられる数とわる数に注目します。同じ数でわりきることができるかどうかを考えてみましょう。
たとえば、「2750÷55」なら、「2750」も「55」もすぐに「5」でわれることに気づくでしょう。
つまり「2750÷55」の答えは、「550÷11」の答えと同じで「50」になるのです。
両方の数を、共通の数でわって小さくすれば、簡単に計算できることがわかります。
ある数がどの数でわりきれるかを知るには、下の表を参照してください。
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それでは実際に問題に挑戦してみましょう。まずは、「小さな数にできるわり算」です。
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【例題1】を上の表にあてはめてみると、どちらの数も「4」、さらに「3」でわりきれることがわかります。
つまり両方の数をわりきれる一番大きな数は「12」だということになります。
このように数を小さくして計算すれば、ずいぶん簡単になります。
計算の最後に、あまりの「1」に「12」をかけるのを忘れないでください。
どうでしょうか。慣れるために、もっと問題を解いてみましょう。手順を覚えていただきたいので、薄い赤文字でヒントを入れておきます。
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問題の答えは以下になります。
(1)5あまり12 (2)3あまり40 (3)7あまり10 (4)5あまり12
いかがだったでしょうか。今回のテクニックが「わり算の速算」をするための土台になります。
ぜひ、繰り返し練習してみてください。次回も引き続き、わり算について紹介していきます。