「好きなものから食べる」「ごはんを先に食べて、おかずは後回し」。そんな子どもの食べ方を、あまり気にしていない家庭も多いのではないだろうか。
じつは、食事の「食べる順番」は、血糖値の変動だけでなく、子どものメンタルにも関係しているという。では、野菜を先に食べる子と、白米を先に食べる子では、どのような違いがあるのだろうか。『医師が教える 子どもの習慣50の基本』から一部抜粋してお届けする。(ダイヤモンド社書籍編集局)
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なぜ野菜ファーストがいいの?
食事は最初に野菜のおかずを食べて、最後にごはん・麺類を食べましょう。
野菜の摂取量が増え、血糖コントロールがよくなり、メンタルが安定しやすくなります。
食事したあとの血糖の変化を「食後血糖応答」といい、食品の種類によって大きく異なることが多数の研究で示されています。
「野菜→たんぱく質→白米」の順で食べると、血糖上昇が抑えられることが日本の研究でも示されています(53)。
血糖は、「上がること自体」ではなく、「急に上がること」が問題です。
急に上がるとインスリンの働きで血糖が下がります。
血糖が下がると眠くなったり、だるくなったり、イライラしたりします。
食事の順序に注意して、血糖がゆっくり上がるようにしましょう。
食べる順序①
野菜(ブロッコリー・ほうれん草・レタスなど)を最初に食べます。
食物繊維が豊富な野菜はGI値(消化速度を数値化したもので、食後に血糖がどれくらい速く上がるかを示す)が非常に低く、血糖上昇はごくわずかです(10~20台)。
野菜に含まれる食物繊維に消化速度を遅らせる効果があります。
ただし、さつまいも以外のいも類は「中~高GI」なので、要注意です。
食べる順序②
次にたんぱく質(肉・魚・卵など)を食べましょう。
単独で摂取したとき、血糖をほとんど上昇させません(GI値≒0)。
ただし、インスリン分泌を刺激するため、食後30~60分にわずかな上昇を示す場合があります。
食べる順序③
最後に炭水化物(白米、麺、パンなど)を食べます。
GI値は約90(54)。白米を食べてから15~30分後に急激に血糖が上昇して、60~90分でピークに達したあと、急降下します。白米は最も血糖変動が大きい食品の1つとして報告されています(55)。
野菜ファーストで自己肯定感も上がる?
先に野菜を食べるメリットはほかにもあります。
●野菜の摂取量が増える
野菜を食事の最初に食べることで、野菜摂取量が増加します。
また、おなかも満たされるので、食事全体のカロリー摂取量が抑えられる場合もあります。
白米や唐揚げなどをどうしても先に食べたくなる場合、まずは野菜のおかずのみを食卓に出すのがおすすめです。
●メンタルにもよい影響がある
野菜を先に食べる習慣がある小学生は、レジリエンスや自己肯定感が高い傾向にあります(56)。
また、生涯を通じた健康的な食習慣の確立にもつながる可能性があります。
野菜のおかずをプラスしよう
カレーライスなどの一皿ものはできれば避けたいので、野菜や肉の具だくさんのカレーライス+サラダか、野菜の小鉢一品を加えるとよいです。
うどんやそうめんなど麺類の場合も、たんぱく質と野菜の小鉢を準備できるとよいですね。
外食の際にも、野菜系のおかずを注文するのがおすすめです。ビュッフェや食べ放題のときは、サラダ類から食べましょう。
一度身についた食の習慣は一生モノです。大人になってから習慣を変えるのは難しいので、子どものうちから、良い習慣をつけられるとよいですね。
54 Yang CH, Chang CW, Lin J. White rice glycemic index measured in venous and capillary blood samples. Food Science and Technology Research. 2017;23(2):297-304. doi: 10.3136/fstr.23.297.
55 Boers HM, Seijen Ten Hoorn J, Mela DJ. A systematic review of the influence of rice characteristics and processing methods on postprandial glycaemic and insulinaemic responses. Br J Nutr. 2015;114(7):1035-1045. doi: 10.1017/S0007114515001841.
56 Khin YP, Nawa N, Koyama Y, et al. Association between eating vegetables first at the meal and mental capital: A-CHILD study. Pediatr Res. 2026. doi: 10.1038/s41390-026-04871-2.
赤坂ファミリークリニック院長/小児科医/MD,MPH/BCIA認定ニューロフィードバック認定医
NPO法人Healthy Children, Healthy Lives代表理事。東京外国語大学卒、帝京大学医学部卒、東京大学大学院医学系研究科修了。医師になる前から同時通訳者として天皇陛下や歴代首相、米国大統領の通訳を務め、現在も医学系会議を中心に活動している。通訳の仕事をしながら2児をもうけたあと、40歳で医学部を受験し、医師に。卓越した英語力を武器に、海外の学術論文から日々最新の情報をアップデートしている。メディア出演も多く、わかりやすい説明と親しみやすい人柄で子どもはもちろん、その親からの信頼も厚い。著書に『医師が教える 子どもの食事 50の基本』(ダイヤモンド社)などがある。






