仕事をがんばって、会社から評価される。収入が増え、出世もできれば、幸せになれるはず。そう考えて働いてきたのに、ふと「このままでいいのだろうか」と感じることはないだろうか。実は、仕事での成功と人生の幸せは、必ずしも一致しないという。『仕事・人間関係で損する人、得する人』(伊庭正康著)をもとに、元・幹部自衛官で現役会社員の人気インフルエンサー・わびさんに、自分らしく幸せに働くための考え方を聞いた。
Photo: Adobe Stock
ベスト1:会社の評価だけで人生を決めない
――仕事を選ぶうえで、一番大切にしていることは何ですか。
わび:私が一番大切にしているのは、「その仕事を続けることで、自分の人生が幸せになるか」ということです。
自衛隊にいた頃の私は、組織に認められることや、周囲の期待に応えることを何よりも優先していました。
でも、心身の調子を崩したとき、組織からの評価と自分の幸せは、必ずしも一致しないのだと痛感したんです。
――仕事で評価されることだけが、幸せではないということですね。
わび:そうですね。
どれほど立派な肩書があっても、心身を壊してしまえば、自分が本当に守りたいものを守れなくなってしまいます。
だから、自衛隊から転職するときも、収入や肩書だけでは判断しませんでした。
自分の強みを生かせるか、無理なく働き続けられるか。
そういうことを大切にして、仕事を選びました。
会社に依存せず、自分の人生を豊かにする
――現在は会社員として働きながら、作家やインフルエンサーとしても活動されていますね。
わび:はい。今は会社員として危機管理の仕事をしながら、本を書いたり、SNSで発信したりしています。
ただ、副業をしているのは、収入を増やすためだけではありません。
仕事で得た知識や経験が、SNSで発信する材料になることもありますし、読者さんからいただいた声が、自分の仕事や生き方を見直すきっかけになることもあります。
仕事と副業が、お互いによい影響を与えているんです。
――複数の仕事を持つことには、ほかにもメリットがありますか。
わび:大きいのは、複数の居場所を持てることですね。
一つの会社だけに依存していると、その会社での評価が、自分自身の価値のように感じられることがあります。
でも、会社以外にも活動する場所があれば、一つの組織の評価に人生を預けなくて済みます。
『仕事・人間関係で損する人、得する人』に書かれている「会社に依存せず、会社を自分の成長に生かす」という考え方や、仕事と私生活が互いを豊かにする「ワークライフエンリッチメント」という考え方にとても共感しました。
――とはいえ、仕事も副業もがんばりすぎると、疲れてしまいそうです。
わび:その通りです。
私は、仕事も副業も、とにかく詰め込めばいいとは思っていません。
自衛隊時代に心身を壊した経験があるからこそ、無理をしてまで働こうとは思わないんです。
私にとっての成功は、出世したり、収入を増やし続けたりすることではありません。
「家族との時間や健康を守りながら、自分らしく生きられること」です。
会社で評価されることも大切ですが、それだけが人生の目的ではないはずです。
だからこそ、これからも自分が幸せになれる働き方を選んでいきたい。
人生の主導権だけは、もう誰にも渡したくないと思っています。
とある外資系企業で危機管理屋として働く会社員
大学卒業後、陸上自衛隊幹部候補生学校に入隊。主に師団司令部、方面総監部などに勤務し、入隊後10年間は順風満帆だったが、早朝から深夜までの激務と上司によるパワハラが重なりメンタルダウン。陸上自衛隊小平学校の教官を経て退職し、現在は会社員として働く傍ら作家としても活動している。
自衛隊などで培われたスキルや、自らがうつ病で苦しんだ経験から身につけたメンタルコントロール術、仕事や人間関係に対する向き合い方を中心にXで発信を開始し、人気を博す。Xのフォロワー数は20万人を超える(2026年9月時点)。
著書に『メンタルダウンで地獄を見た元エリート幹部自衛官が語る この世を生き抜く最強の技術』(ダイヤモンド社)など。『ともしびワークデイズ』(幻冬舎コミックス)では、原案を担当。最新作は『こうやって「考えすぎ」を終わらせる』(アスコム)。








