「頑張って勉強しても、本当に人生は変わるのだろうか」。そんな疑問を抱いたことはないでしょうか。資格を取得したり、難関大学に合格したりするために、日々努力を重ねている人は少なくありません。しかし、勉強によって得られるものは、合格や資格だけではないといいます。では、勉強を通じて人生を豊かにするためには、どんなことを知っておくべきなのでしょうか。東大卒業後、コロンビア大学でMBAを取得し、日本マクドナルドCMO、Facebook Japan初代社長などを歴任。51歳から司法試験に挑戦し、57歳で合格した岩下充志氏の著書『夢をかなえる 勉強の地図』から、人生を豊かにする「3つのこと」を紹介します。
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努力した先には何がある?
試験合格、資格取得。勉強している最中は、誰もがこうした「ゴール」を目指しています。
しかし、試験の合格は「人生のゴール」ではありません。
あくまでもひとつの通過点であり、その後も人生は続いていくものです。
つまり、我々は、勉強をやり抜いた先に待っている人生も見据えなくてはならないのです。
勉強によって何が得られるのか。努力が結実した先には、何が待っているのか。
最終章となる本章では、視点をすこし未来へと進めてみたいと思います。
勉強によって得られる3つの「結果」
私は、勉強によって得られる「結果」として、大きく次の3つがあると思っています。
・地位(社会的評価)
・社会貢献(精神的充足感)
たとえば、難関大学を卒業して、平均年収が高い大企業へ就職する。
スキルアップして、組織内で出世する。
資格を生かして転職し、より高い収入を得る。
「勉強することによって得られるもの」と言ってすぐに思い付くのが、こうした物質的な豊かさではないでしょうか。
実際、私自身がそうでした。若い頃は物質的な欲求が強く、その願望を叶える手段として勉強していた側面が強かったように思います。
東大に行こうと思ったのは、東大生ブランド(地位)が欲しかったからですし、MBAを取得したのも、経営者になってお金や地位を得たかったから。そうした素直な欲求を大きな原動力にして、勉強に向かっていました。
就職活動時に「東大生ブランド」が役立ったのは事実ですし、BCGやその他の外資系企業に転職する際、「MBA取得者」という肩書きがプラスに働いたのも事実でしょう。
勉強は私たちに地位やお金をもたらしてくれます。
勉強したら未来が変わる
一方で、勉強は私たちに精神的な豊かさももたらしてくれます。
知識を磨き、幅広い教養を身に付けることで、さまざまな社会課題に関心が向く。語学スキルを磨いて国境を超えた友好関係を築く。ボランティア活動、寄付活動などに積極的に取り組む。あるいは世の中に価値を提供し、雇用を創出する企業経営自体、ひとつの社会貢献と言えるでしょう。
勉強によって自分を高め、目の前の人、ひいては社会全体に貢献することができる。
この深い充足感も、まぎれもなく勉強によって得られる大きな成果です。
私もある程度お金を稼げるようになり、物質的な欲求が低下すると、次第に、お金や地位を求めるウエイトは下がっていきました。
それは、私が司法試験にチャレンジした理由の一つでもあります。
司法試験に合格したとしても、弁護士の初任給の相場を考えると、当時の自分の収入より多くのお金をすぐに稼ぐのは難しいとわかっていました。
社会的地位という観点から考えても、新人の弁護士と大企業の経営者であれば、後者に軍配を上げる人が多いでしょう。
それでも、法律の専門知識を持つことで社会に貢献したり、誰かの助けになれることに、純粋な魅力を感じたのです。
「そんな生き方は格好良いな」と。また、奥深い法律の知識を学ぶこと自体が、自分の知的好奇心を満たしてくれた点も大きかったと思います。
結局、私は5年という歳月をかけて司法試験に合格しました。
ここで私が得られるのは、弁護士という肩書きだけではありません。
「自分の専門知識を生かして直接誰かを助けられる」という権利を得られるのです。
市場の論理に振り回されることなく社会との接点を持ち続け、人と社会に貢献することができる。
そんな「生きがい」をもたらしてくれるのです。
みなさんも、猛勉強に励みながら「一体何のためにこんなに勉強をしているんだろう」「合格したからといって、どんなメリットがあるんだろう」と不安になることがあると思います。
しかし、やり遂げれば必ず未来が変わります。
真剣に勉強して、最後までやりきって、それでも何一つ得るものがない、なんてことはありません。
勉強に注ぎ込んだ時間と労力が無駄に終わることはないのです。
たとえどれだけ長く苦しい道であろうと、勉強には歩み通すだけの価値がある。
これは挑戦する私たちにとって大きな心の支えになるのではないでしょうか。






