完璧を求めすぎて仕事を終えられない。やらなければいけないことを先延ばししてしまう。そんなときの対処法を、『おい、とりあえず終わらせろ』の著者、nwiizo(ぬうぃぞう)氏が伝えます。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

おい、とりあえず終わらせろ的外れPhoto: Adobe Stock

修正できる時間もなくなっていく

 会議と部下の相談の合間を縫って、提案資料を作る。

 関係部署から数字を集め、説明を補い、ようやく形になった。

 そろそろ上司に見せたい。けれど、送信する前に手が止まる。

「そもそも、求められているのはこの内容でいいのか」
「的外れだと言われたら、最初からやり直しになるのではないか」

 出す以上、しっかりと内容を説明できなければならない。見当違いな提案をして、周りの時間まで無駄にしたくない。その気持ちは自然なものです。

 でも、やり直しを避けたくて見せるのを遅らせた結果、修正に使えたはずの時間が減ってしまうことがあります。

作り込むほど要点が絞れなくなる

 完璧でない段階で出して、的外れだったらどうするのか。そう思うかもしれません。

 でも、早い段階で方向の違いがわかれば、直す時間が残っています。

 たとえば、骨子の段階で「今回知りたいのは、原因よりも打ち手だ」と言われれば、そこから構成を変えられます。説明や図表をすべて整えた後では、直す範囲も広がります。

 大切なのは、完成品として評価してもらう前に、「この方向で進めていいか」を確認することです。

 私には、3か月かけて100点を狙った企画書が、的外れだった経験があります。

 自分でボールを持っているうちは、何が要点なのかすら特定できなくなっていました。長く作り込んだ分、見直すべきところが多すぎたのです。

 エンジニアの仕事でも、一度に大量の変更を加えてから不具合が出ると、原因を絞り込みにくくなります。変更を小さく保てば、どこで問題が起きたかを調べやすい。

 資料も、小さく見せて確かめることで、「何が相手の期待と違ったのか」を捉えやすくなります。

自分が思いつく範囲に改善点はないかもしれない

 ある設計書を、3週間練り込んだこともありました。自分では、完璧に近いものができたと思っていました。

 ところが、最初のレビューコメントは、こうでした。

「この仕様、セキュリティどうするの?」

 正直、3週間で一度も考えなかった観点でした。

 自分の頭の中だけで確認していると、自分が思いつく範囲を何度も見直すことになります。時間をかければ、すべての見落としに気づけるとは限りません。

 他者の目を通して初めて、「何が見えていなかったか」がわかることがあるのです。

 最初に見せて得られるのは、評価だけではありません。「自分は何を確認できていなかったのか」という、次に進むための情報です。それを踏まえて書く2回目は、1回目とは違うものになります。

 次の資料では、すべてを整える前に、まず骨子を見せてみてください。「今回は方向性を確認したいです」と、見てほしい点も添える。

 的外れだとわかったら、残念には思うでしょう。それでも、作り込む前に気づけた分、次の判断を早く始められます。

 忙しいからこそ、ひとりで正解を確かめ続ける時間を短くする。早めの確認が、限られた時間を必要な修正に使うための一歩になります。