ビタミン、ミネラル、乳酸菌……など、栄養を手軽に補給できるサプリメント。忙しい人にとってはありがたい存在だが、過信しすぎると却って健康を損なう可能性もあると管理栄養士の星穂奈美さんは言う。サプリメントを取り入れるときに心得ておきたいことを教えてもらった。(本稿は書籍『疲れやすいオトナ女子を救う あなたの食習慣を変える100の提案』を一部抜粋・加筆し編集したものです)

サプリメントPhoto: Adobe Stock

サプリメントは「薬」ではない

 前提として、サプリメントは医薬品のような治療効果を期待するものではないことを覚えておきましょう。食品衛生法上では「食品」に分類されています(※1)。

 サプリメントは、栄養バランスの偏りを整えたり、健康や体調を維持する目的でとるものなのです。

 まずは主食・主菜・副菜が揃ったバランスの良い食事を心がけ、その補助的な存在として考えることが大切です。

※1)機能性を表示できるものが「保健機能食品(トクホなど)」で、それ以外がいわゆる健康食品と呼ばれる。

過剰摂取と飲み合わせのリスク

「体に良いものだから、たくさん摂れば効果も大きいはず」という考えは禁物です。
 例えば脂溶性ビタミン(A・D・E・K)は体内に蓄積されやすく、過剰に摂ると肝障害や骨の異常など健康被害を引き起こすリスクがあるとされています。パッケージに記載された「1日の摂取目安量」は必ず守ることが大切です。

 また、飲み合わせにも注意が必要です。
 例えば、鉄やポリフェノールは亜鉛の吸収を阻害すると言われています。普段の食事では気にする必要はありませんが、サプリメントでそれらを摂取する場合は時間をずらすなどの工夫を心がけましょう。

 複数のサプリメントや栄養ドリンクなどを併用する場合は、特定の成分が重複して過剰になっていないか、栄養成分表示を確認する習慣をつけることが重要なのです。

性質に合わせた最適な取り入れ方を知る

 他にもサプリメントを取り入れる際に知っておきたいこととして、次のようなものがあります。

●水と一緒に飲む
 緑茶や紅茶、コーヒーにはタンニンが含まれており、鉄の吸収を妨げることがあります。水や白湯であれば成分の吸収を気にすることなく、安心です。

●薬との相互作用に注意する
 例えばビタミンKは血液をかためる働きがあるため、抗凝固薬ワーファリンの効果を弱めてしまう可能性があります。

 持病があり、薬を服用中の方は、相互作用によって薬の効き目が変わることがあるため、自己判断せず主治医やかかりつけ薬剤師へ事前に相談しましょう。

●不足しやすい栄養素は積極的に活用してみる
 魚(特に青魚)が苦手な方は、良質な油とされるn-3系脂肪酸(※2)が不足しやすくなります。サプリメントを活用して補うことは有効と言えるでしょう。

※2)代表的なn-3系脂肪酸であるEPA・DHAは、イワシやアジ、サバなどに含まれ、動脈硬化性疾患のリスクを下げる働きが期待される