更年期を迎えると、ホルモンバランスの変化によって急激に体調の変化を感じる女性も少なくないだろう。この女性ホルモンの減少は、骨の代謝バランスにも影響するという。「まだ先のこと」と放置せず、若いうちから必要な栄養を摂るように心がけることが大切だと管理栄養士の星穂奈美さんは言う。今日から取り入れられる骨対策を詳しく解説する。(本稿は書籍『疲れやすいオトナ女子を救う あなたの食習慣を変える100の提案』を一部抜粋・加筆し編集したものです)

カルシウムPhoto: Adobe Stock

女性ホルモンの減少と骨粗しょう症の関係

 骨は一度作られたら一生変わらないものではなく、古くなった骨を溶かす「骨吸収」と、新しい骨を作る「骨形成」を絶えず繰り返す「骨代謝(リモデリング)」を行っています。健康な状態ではこの2つの働きのバランスが保たれており、骨の強度が維持されています。

 この代謝において大切な役割を担っているのが、女性ホルモンである「エストロゲン」です。エストロゲンには、骨が過剰に壊されるのを抑えるブレーキのような働きがあります。
 閉経後、エストロゲンの分泌が減少すると、骨の代謝バランスが崩れ、骨を壊す細胞の働きが活発になって骨が溶け出し、骨量が減少しやすくなると言われています。

 閉経後の女性の約4人に1人が骨粗しょう症に該当するというデータもあります(※1)。骨が脆くなると、軽度の転倒などでも骨折のリスクが高まり、普段の生活にも影響を及ぼしてしまうのです。

※1)『骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2025年版』骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン作成委員会・編(日本骨粗鬆症学会 日本骨代謝学会 骨粗鬆症財団)ライフサイエンス出版より

カルシウムだけでは足りない理由

 骨は、カルシウムとコラーゲン(たんぱく質)が主成分であり、食事によって補給することが大切と言われます。
 ただし、カルシウム単体をたくさん摂取するだけでは十分な効果は得られません。カルシウムの吸収を助ける「ビタミンD」と「ビタミンK」の摂取も必要です。

●カルシウム
 骨の構造を形成する中心的なミネラル。
 牛乳やヨーグルトなどの乳製品、木綿豆腐などの大豆製品、小魚、小松菜などに多く含まれます。

●ビタミンD
 小腸からのカルシウム吸収を促し、骨代謝(骨のリモデリング)を促進します。
 鮭やイワシ、サンマなどの魚類、干し椎茸やキクラゲなどのきのこ類に含まれます。なお、ビタミンDは紫外線が皮膚に当たることで生成されるため、食事だけでなく適度な日光浴も有効です。

●ビタミンK
 吸収されたカルシウムを骨に定着するのをサポートする働きがあります。
 納豆に多く含まれるほか、モロヘイヤ、ほうれん草、ブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれています。

 他にも、骨のしなやかさを支えるコラーゲンの材料となるたんぱく質は、骨の重量のおよそ20~35%程度を占めていると言われており、肉、魚、卵、大豆製品などからバランスよく摂取することを心がけましょう。そして、これらの栄養素は閉経後に限らず、若いうちから意識して摂取することが大切なのです。

*参考資料:『病気がみえる vol.11 運動器・整形外科 第2版』医療情報科学研究所・編(メディックメディア)