食後に急激な眠気や集中力の低下を招く、「血糖値スパイク」。この血糖値スパイク(食後高血糖)は、健康診断では見つかりにくく、自覚がないまま血管に負担をかけ続けているケースも少なくないという。血糖値スパイクが起こる仕組みと、食生活における予防法を管理栄養士の星穂奈美さんに教えてもらう。(本稿は書籍『疲れやすいオトナ女子を救う あなたの食習慣を変える100の提案』を一部抜粋・加筆し編集したものです)
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血糖値スパイクとは?
血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急激に上がり、その後インスリンの大量分泌によって急降下する状態のことを指します。グラフに描くと棘(スパイク)のように鋭い山ができることからこう呼ばれています。
通常、ご飯やパンや麺など、炭水化物(糖質)を含む食事を摂ると、血液中のブドウ糖(※1)濃度(=血糖値)が高くなり、それに反応することで膵臓からインスリン(※2)というホルモンが分泌されます。
この仕組みが上手く機能しているときは良いのですが、例えば空腹の状態が長く続いた後、急に炭水化物(糖質)を多く含む食事を摂ったりすると、血糖値がたちまち上昇し、それを下げようとインスリンが大量分泌されてしまいます。そして血糖値の急降下が起こってしまうのです。
健康診断で行なう採血検査の多くは空腹時に数値を測るため、こうした食後の血糖値の乱高下に気づきにくく、知らぬ間に隠れ高血糖になっていることがあります。
※1:ブドウ糖は、炭水化物が体内で分解されて作られる単糖類。
※2:ブドウ糖を細胞の中へ送り、血糖値を下げる働きを持つ。
食後高血糖のリスク
血糖値の乱高下(血糖値スパイク)が繰り返されると、体にさまざまな悪影響が生じると言われます。
●日常生活での不調
食後に強い眠気や倦怠感に襲われる。
●血管へのダメージ
血糖値の乱高下の繰り返しは、血管にダメージを与え、動脈硬化や糖尿病など生活習慣病のリスクを高める原因になるとされる。
今日から実践できる予防対策
血糖値スパイクは、毎日の食事スタイルを少し意識することで防ぐことができます。
1)「ベジファースト」を心がける
食事の最初に食物繊維が豊富な野菜、きのこ、海藻類などを食べるようにすることで、食物繊維が糖の吸収スピードを緩やかにし、急激な血糖値の上昇をブロックしてくれます。
2)炭水化物の「質」を見直す
前述のように、食物繊維は、糖の吸収速度を遅らせる働きがあります。主食を白米や食パンなどの精製された穀物から、玄米や全粒粉パン、オートミールなど、食物繊維を多く含むものに置き換えてみましょう。
3)早食いを避ける
よく噛むと食べ物が細かく砕かれ、唾液(消化酵素)と混ざり合って消化がスムーズになります。その結果、糖が小腸で急激に吸収されることなく、取り込まれるスピードが緩やかになると言われます。ゆっくり20分ほどかけて食べることを習慣づけましょう。
*参考資料:
・『糖尿病診療ガイドライン2024』日本糖尿病学会・編著(南江堂)
・『食物繊維の健康寿命への効用(大妻女子大学家政学部教授 青江誠一郎)』「生活協同組合研究」(生協総合研究所)2024・3






