シェブロンの「パターソン812」に設置された掘削装置(テキサス州ミッドランド近郊)PHOTO: JUSTIN REX FOR WSJ
米石油大手 シェブロン は、ここ何年かはフロンティア探査への支出を削減し、米国の近くで掘削していたが、辺境の未開発地域での石油・ガス探査に再び乗り出している。
エクソンモービル に次ぐ米2位の巨大石油会社であるシェブロンは、イランでの戦争がエネルギー市場に歴史的な混乱を引き起こし、原油相場――および同社の利益――が大きく押し上げられたことで、有り余るほどの資金を手にしている。
同社の取り組みを率いるのは、ケビン・マクラクラン氏だ。カナダ出身の石油探査のベテランで、地球物理学の学位を持ち、フランスの丘陵地帯を自転車で上り下りするのを好む。シェブロンは仏石油会社 トタルエナジーズ から同氏を引き抜いた。トタルは一部の米企業が足を踏み入れるのを恐れるような辺境地域で事業を展開していることで知られる。
マクラクラン氏は、自転車に乗ることも石油探査も、「新しい道を見つけ、次の角を曲がった先に何があるのかを見極めたい」という同様の探求心を満たしてくれるものだと語る。同氏は、アフリカ、南米、地中海東部の未開発地域での探査を強化するため、昨年シェブロンに入社した。
「探査は難しいゲームだ」とマクラクラン氏は語った。「発見できた瞬間ほど素晴らしいものはない」
シェブロンは今年上半期に140億ドル(約2兆2000億円)超の利益を計上した。これは2025年通年の利益を既に上回っている。同社は30日に再び極めて好調な四半期決算を発表するとみられている。ファクトセットによると、ウォール街のアナリストは7-9月期の利益が前年同期の3倍近くに達すると予想している。
現在の政治情勢は石油探査とさらなる投資に有利に働く。イランでの戦争により、世界の石油・ガス供給量の約20%がホルムズ海峡の奥に事実上閉じ込められたことで、エネルギーのサプライチェーン(供給網)の脆弱(ぜいじゃく)性が露呈した。
第2次トランプ政権下では、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)が始まった後に見られた、化石燃料からの脱却を求める投資家の圧力はおおむね消えた。シェブロン幹部によると、世界の石油需要がじきに頭打ちになるとの予測は、何年も後ずれした。
石油会社はこの好機を活用している。エクソンや英 シェル 、トタルなどの石油大手は新たな石油資源の発見に向け、スリナム、ブラジル、ナミビアといった場所に目を向けた。







