石油メジャーが次世代有望地に投資、中東混乱回避でPhoto:Brandon Bell/gettyimages

 米 エクソンモービル や米 シェブロン などのエネルギー大手は、中東での戦争による危険から遠く離れた場所で、新たな石油・天然ガスの有望地を探す動きを加速させている。

 エクソンが最近、ナイジェリアの深海油田に最大240億ドル(約3兆8000億円)を投じる計画の概要を示した一方、シェブロンはベネズエラでの事業を拡大した。英 BP はナミビア沖の油田ブロックの権益を取得し、仏 トタルエナジーズ はトルコと探査契約を締結した。エネルギー調査・コンサルティング会社のウッドマッケンジーは16日、大手石油会社が今後数年間の探査事業から合計1200億ドルの価値を生み出す可能性があると試算した。

 イランによるエネルギー関連施設への攻撃やペルシャ湾地域での海上輸送の目詰まりによって世界的な石油争奪戦が起き、 欧米の石油会社 の一部は数十億ドルの減収となっている。だが、エネルギー価格の急騰は石油業界に棚ぼた的なキャッシュをもたらしており、これまで手が届かなかった地域や数年前に撤退した地域への進出を後押しすると期待されている。掘削会社の多くはこれまで、株主還元を優先し、探査投資を削減していた。

 米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)の非常勤上級研究員でシェブロンの元幹部であるエドワード・チョウ氏は「上流部門の人間が商機に対して抱く情熱を侮ってはいけない。彼らは『なあ、あんなことやこんなことができたら、どんなに素晴らしいだろう』と語り合うものだ」とし、「今は、それを実行するための資金がある」と述べた。

 クリス・ライト米エネルギー長官とダグ・バーガム米内務長官は16日、エクソンやシェブロンなどの石油会社幹部との電話会議で、今後の供給不足を織り込んだ価格急騰を抑えるために増産を続けるよう各社に求めた。

 米原油先物は現在、1バレル=89ドル程度で推移しており、イラン戦争が始まる前の水準(60ドル台半ば)を上回っている。ドナルド・トランプ米大統領とイラン当局者がホルムズ海峡は開放されたと発表したことを受け、17日に価格が急落していた。その後イランは、海峡は再び閉鎖されたと述べた。