「昔からの友人と話していても、なぜか疲れる」「家族や職場の些細な食い違いに、イライラしてしまう」「年を重ねるほど、人付き合いが面倒になってきた」。人生の後半に入ると、人間関係に疲れを感じる場面が増えるという人もいるかもしれません。では、人間関係に疲れやすい人には、どんな特徴があるのでしょうか? ウェルビーイング研究の第一人者である前野隆司氏は著書『幸せの人類史 なぜ「幸福」は人類を「不幸」にしたのか』の中で、心理学の研究をもとに、人間関係がこじれていく仕組みについて語っています。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

人生後半に「人間関係に疲れる人」の特徴・ワースト1Photo: Adobe Stock

人付き合いが、だんだん面倒になる

相手の言動を、つい悪いほうに受け取ってしまう。
意見が合わない人に、自分の考えを伝えるのが面倒だ。
小さな行き違いが、なかなか水に流せない。

こんなことに心当たりはないだろうか。
前野隆司氏は、人間関係がこじれる背景に、視野の狭さがあると指摘する。

視野の狭さは、人間関係にも影響を与えます。自分の立場だけで物事を見るようになると、相手の事情や背景を想像することが難しくなります。すると、相手の行動を単純に「悪意」や「間違い」と解釈しやすくなるでしょう。相手の気持ちを考えたり、行動の意味を考えたりすることも難しくなっていくでしょう。
――『幸せの人類史 なぜ「幸福」は人類を「不幸」にしたのか』より

年齢とともに強まる共感ギャップ

人生後半に「人間関係に疲れる人」の特徴・ワースト1。それは、自分の立場だけで物事を見てしまうことだ。

本書によると、自分と違う状況にいる人の気持ちを理解しにくくなる現象は、社会心理学で「共感ギャップ」と呼ばれる。そして、この傾向は年齢とともに強まるかもしれないという。

小学校のころから「他人の立場に立って考えましょう」と教えられたものですが、人は成長し自分らしさを確立するほど、他人のことについて考える力が低下していくのかもしれません。視野が狭くなるほど、この共感のギャップは大きくなります。
共感が弱まると、対立は激しくなりがちです。相手の事情を理解する代わりに、自分の正しさだけを主張するようになるからです。こうして、小さな誤解が大きな対立へと発展することも少なくありません。

――『幸せの人類史 なぜ「幸福」は人類を「不幸」にしたのか』より

経験を重ね、自分なりの考え方ができあがるほど、相手の立場に立つことは難しくなる。人生後半に人間関係に疲れやすくなるのは、そのためなのかもしれない。

意見をせずに、最後まで聞いてみる

相手の言動が気になったら、その背景にある事情を想像してみる。
すぐに反論せず、まずは相手の話を最後まで聞いてみる。
自分とは違う世代や立場の人と、話す機会を持ってみる。

そんなちょっとしたことが、狭まった視野を少しずつ広げてくれるかもしれない。

人間関係の疲れは、相手を変えることでは解消しにくい。
自分の見方を少し広げることが、人付き合いを楽にしてくれるはずだ。