「毎日1時間は勉強しよう」と決めたのに、気づけば1分もやらない日が続いている。そんな経験はないでしょうか。500万ダウンロードを突破したアプリ「集中」の開発者で、『脱スマホ術』の著者・戸田大介さんは、「勉強が続かない人は、目標を下げるだけで、勉強時間は増える」と話します。多くの人が陥る「最低ライン」の落とし穴について聞きました。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)
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「1時間やろう」と決めた人ほど、1分もやらない
――「今日から毎日勉強する」と決めても、なかなか続かない人は多いと思います。なぜでしょうか。
戸田大介(以下、戸田):多くの人は、「勉強するなら、最低これくらいはやらなきゃ」というハードルを高く設定しすぎているんだと思います。
たとえば、本当は30分なら頑張れるくらいのエネルギーが残っている人がいるとします。その人が「1時間やらなきゃ」と思っていると、「1時間は大変だな」と感じて、結局1分もやらずに、だらだらスマホを見て過ごしてしまう。そういうことが、すごく多いと思うんです。
でも、同じ人が「10分でいいからやろう」と思えば、まず10分はやります。そして10分やってみると、「もうちょっとできるな」と思って、結局30分やっていた、ということが起こります。
同じ人なのに、勉強時間が30分も変わる
――目標の立て方だけで、そんなに差が出るのですか。
戸田:わかりやすく、AさんとBさんで比べてみます。
2人とも「勉強しなきゃ」と思っているところは同じです。ただ、Aさんは無意識に「勉強するなら1時間やらなきゃ」と思っている。一方のBさんは、「10分でいい」と意識的に決めています。
そして、2人とも「30分くらいなら頑張れる」という状態だとします。
するとAさんは、「1時間なんてムリだ。今日はいいや」となって、0分で終わります。でもBさんは、「10分くらいならできる」と始めて、結局30分やる。
2人のコンディションは同じです。違うのは、行動を思い浮かべたときに頭の中に浮かぶ「最低限のハードル」の高さだけ。そのハードルを越えられるかどうかで、行動が生まれるかどうかが変わってくるんです。
頭の中のハードルを下げれば行動を起こせる
「勉強は1時間単位」が染みついているのかもしれない
――そもそも、なぜハードルが高くなってしまうのでしょう。
戸田:もしかしたら、私たちは学校で「勉強とはこれくらいやるもの」というイメージを身につけてきたのかもしれません。
小学校の授業は1コマ45分、中学校では50分ほどあります。そのため、「勉強」という言葉と「最低これくらい」という時間が、知らず知らずのうちに結びついているのではないかと思います。
――「参考書をパラッと見るだけでも勉強」くらいの軽い気持ちのほうが、取りかかりやすいということですね。
戸田:そう思います。「10分やったら上出来」くらいに、自分への期待を軽くしておいたほうが、結果的にはたくさん勉強できます。
ただ頭の中の数字を変えるだけで、ずっと得をする
――目標を下げることに、抵抗を感じる人もいそうです。
戸田:そうかもしれません。でも、これは本当に得な話だと思うんです。
同じ人の同じコンディションなのに、自分が設定している目標を変えるだけで、勉強時間を1日30分増やせる。やることは、「1日10分でいい」と自分の中でイメージしている数字を変えるだけです。
しかも、一度そう思えるようになれば、その効果はその後もずっと続きます。特別な努力も道具もいりません。
勉強が続かないと悩んでいるなら、やる気を出そうとする前に、まずは頭の中の「最低ライン」を下げてみてください。ただそれだけで、人の行動はおもしろいほど変わります。








