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給与は十分、福利厚生も申し分ない。それなのに、入社してしばらくすると、この会社で働き続けたいと思えなくなる人がいます。条件のよさは、日々の仕事の手応えまでは約束してくれないからです。高い年収を提示されても、入社を見送ったほうがよい会社には共通する特徴があります。求人票やホームページからは見えにくいその特徴と、内定を承諾する前に確かめる方法を、人事・採用コンサルタントが解説します。(人材研究所ディレクター 安藤 健、構成/ライター 奥田由意)
条件で選んだはずなのに
働き続けたいと思えない
年収が上がり、福利厚生が充実していて、オフィスもきれい。そういう会社に転職して損はないと考えるのは自然なことです。給与や待遇に目が向くのは当然ですし、高い年収を求めること自体は何も悪いことではありません。
ところが、しっかり条件を比べて選んだはずの会社で、働き始めてから違和感を抱く人は少なくありません。実は待遇への不満がないことと、仕事に手応えがあることは、同じではありません。
レクリエーション施設や社員食堂が充実しているグーグルのようなオフィスで働けるのは、最初はうれしいかもしれません。しかし、その環境にもやがて慣れ、当たり前になるでしょう。
働き方改革で職場の働きやすさはずいぶん整いましたが、それでも新卒入社のおよそ3割は3年以内に辞めています。働きやすさを整えるだけでは、人が定着するとは限らないのです。
会社選びで考えたいのは、どんな条件で働けるかだけではありません。働く時間から、どんな充実感を得られるかなのです。
どうせ働くなら
働きがいのある会社を選びたい
どうせ働くのであれば、働きがいのある会社で働きたい。誰しもそう思っているのではないかと私は信じています。
人生の長い時間を費やすのですから、仕事にはできるだけ前向きに取り組めるほうがいい。ただし、それは会社にただ盲目的に忠誠を尽くすこととは違います。会社が好きかどうかはさておき、日々の仕事そのものに前向きになれるかどうか、という問題です。
仕事から得られるものは年収以外にもたくさんあります。
難しい仕事をやり遂げたときの達成感、目の前の仕事に意味を感じられる充実感、これまでできなかったことができるようになる成長の実感、そして成果をきちんと評価してもらえる喜びです。
私は、働きがいを「働きやすさ」と「やりがい」の掛け算だと定義しています。年収やオフィス環境は働きやすさに、達成感や成長実感はやりがいに入ります。これは心理学者ハーズバーグの二要因理論※1を土台にした考え方です。年収は働きやすさの一要素にすぎず、それだけで働きがい全体は判断できません。
足し算ではなく掛け算なので、どちらかがゼロなら働きがいもゼロになります。条件がどれほどよくても、仕事の手応えがなければ埋め合わせにはなりません。
逆に、やりがいさえあれば働く条件を無視してよいというわけでもありません。両方がそろうことで初めて働きがいは高まるのです。
年収や年間休日は比べやすい一方で、やりがいにかかわる部分は求人票の数字だけでは見えにくく、そこに目を向けて会社を選ぶ人は多くありません。では、働きがいを得られる会社なのかどうかは、どこを見ればよいのでしょうか。







