「部下に注意したいけれど、嫌われるのが怖い」「厳しいことを言って、関係が悪くなったらどうしよう」。そんな悩みを抱えるリーダーは少なくないでしょう。相手を傷つけたくないという思いから、言うべきことを言えずにいる人もいます。しかし、注意を先送りにしていると、職場のほかのメンバーに負担がかかってしまうこともあります。では、部下から「注意するのが苦手です」と相談されたとき、リーダーはどんな言葉をかければいいのでしょうか。『3000件の職場の悩みを解決したプロが教える リーダーのふるまい大全』の著者・本田淳也氏が、その対応を解説します。
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「嫌われたくない」が先送りを生む
「注意するのが、どうも苦手で……」
昇進したばかりの部下から、こんな相談を受けることがあります。
注意が苦手な人は、決して少なくありません。
「嫌われたくない」「相手を傷つけたくない」「関係が悪くなるのが心配」。そんな気持ちから、気になることがあっても「今日はやめておこう」と先送りしてしまう。
根がまじめで、周りへの気遣いができる人、また温和な人ほど、こうなりやすいものです。
放っておくと、困る人が出てくる
ただ、問題をそのままにしておくと、別のところに影響が出ます。
たとえば、締め切りを守らないメンバーがいる。報告が遅れて、取引先への対応が後手に回ることもある。
注意をためらった結果、まじめに働いている人ほど負担が増えていきます。
そもそも、注意は誰のためのものか
会社で働くというのは、「労働契約」を結んでいるということです。
働く人は会社の指揮命令に従って仕事をし、その対価として給与を受け取る。こうした関係の上に、職場は成り立っています。
仕事を円滑に進めるために、会社として「ここは直してほしい」と伝える場面は必ずあります。
そのとき実際に伝える役目を担っているのが、現場の上司です。
上司が注意するとき、「自分が個人的に相手を指摘している」と考える必要はありません。
会社として本来伝えるべきことを、上司という立場で代わりに伝えている。そう捉えてみてください。
リーダーがかける一言
注意が苦手だと打ち明けてくれた部下には、こう伝えてみてください。
「あなたが個人的に注意しているのではなく、会社として伝えるべきことを、上司として代わりに伝えているだけだよ」
この捉え方ができると、注意する側の気持ちは少し軽くなります。
感情をぶつける必要もなく、言い方も自然と落ち着いたものになります。
注意は、仕事をスムーズに進めるために必要なことです。苦手だと感じながらも、伝えるべきことをきちんと伝える。
それが、チームのメンバーを守ることにもつながっていきます。








