シリコンバレーはモバイル事業で活況
モバイルアプリ、クルマ絡みで次世代へ
米カリフォルニア州サンフランシスコ――。
アップルは同市街で開催した開発者イベント「WWDC (The Apple World Wide Developers Conference)2013」(6月10~14日)で、自動車向け次世代ソリューション「iOS7 in the car」を初公開した。
これは、同社の音声認識技術「Siri(Speech Interpretation and Recognition Interface)」の精度を上げ、車載器側との連携を強化するもの。今回の発表で「iOS7 in the car」の採用を表明したのは、ホンダ/アキュラ、日産/インフィニティ、メルセデス、シボレー、ヒュンダイ/キア、ボルボ、オペル、ジャガー、そしてフェラーリの12ブランド。同システムの量産車への導入は2014年からとなる。
また、これら12ブランドのなかにはホンダ/アキュラやシボレーなど、すでにモバイル(日本でのスマホ)のSiriをステアリング装着の専用スイッチで操作する「Siri Eyes free」を採用しているメーカーがいる。
こうしたインフォテイメント(インフォメーションとエンターテイメントの合体語)系のテレマティクス(テレコミュニケーション/通信とインフォマティクス/情報工学の合体語)についてはいま、明らかに、アメリカが日本をリードしている。
本連載でも、2013年1月ラスベガス開催のCES(Consumer Electronics Show)で注目されたフォード「AppLink」(第137回『トヨタの自動運転技術に勝る衝撃!? フォードの“車載スマホ”に第三者がアプリ提供』)や、スマホアプリ型のカーナビ時代への突入(第152回『カーナビ王国ニッポンの落日 GPSと高性能アプリで「スマホでナビ」本格普及か』)において、アメリカでのテレマティクス事情を紹介してきた。
それら記事のなかでも指摘した通り、近年、日系自動車メーカーはテレマティクス事業強化のため、シリコンバレーの活動拠点を拡充する動きを見せている。だが、その実態について日本のメディアで報道されることはほとんどない。
そこで今回は、日系ビック3のトヨタ、ホンダ、日産のシリコンバレーオフィスを訪問し、テレマティクス最前線に挑む日本人担当者に独占インタビューを行なった。
今回の取材実施にあたり、各メーカーの本社、及び米国法人の関係各位にご協力いただいたことに深く感謝したい。