バーチャレクス社長 丸山栄樹 |
新卒入社後わずか5年で、アンダーセンコンサルティング(現アクセンチュア)のマネジャーに昇格した丸山栄樹。大手保険会社を顧客として経営コンサルティングを行なっていた。
しかし、顧客に思い入れを持って業務に励むほど、「提案だけでなく、現場でそれを実現してみたい」という気持ちが溢れ出てきて、独立を決意した。28歳のときだ。
初期の顧客は、足で探し当てたパチンコ台メーカーやビデオレンタルショップ。倉庫を兼ねた小さな事務所でオーナー相手に営業の改善提案を行なう日々だった。そんなある日、転機が訪れた。顧客の1社である人材派遣会社が、新規事業としてコールセンターのアウトソーシング(外部委託)業務を行なうことになり、それを支援する仕事を請け負ったのだ。
当時は1999年、ネットバブル前夜。まだ、かかってきた電話をただ取るだけの運営が多かったコールセンターだったが、「今後は顧客の窓口として重要な役目を担うようになる。ITシステムや会社組織全体の改革も、効果的なコールセンターをつくるために必要になる」。こう丸山は予想した。
この趣旨で提案書を書き、顧客に代わって営業に出向くと、なんと全戦全勝。「このやり方でコールセンターの運営を受託すればビジネスになる」と考え、設立したのがバーチャレクスだ。監査法人のトーマツで幹部まで務めた兄・丸山勇人も技術担当役員として加わり、バイトも含め6人で創業した。
日興ビーンズにユニクロ
創業直後に相次ぐ大型受注
創業直後から好機に恵まれた。丸山がコンサルティング業務で会社立ち上げに携わっていた日興ビーンズ証券(現マネックス証券)から、「うちのコールセンターをやってほしい」と持ちかけられたのだ。