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インキュベーションの虚と実

お行儀が良すぎる今の起業家へ送る至極の提言!
「現実歪曲空間を放ち、圧倒的世界一を狙え!」
——国光宏尚(gumi社長)×小林清剛(前ノボット社長)×宮澤弦(ヤフー検索事業責任者)鼎談

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第37回・最終回】 2013年10月21日
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理系のイーロンは宇宙に運ぶだけ
文系のオレは宇宙観光を開拓する

筆者 次に起業するチャンスがあったら、何をやる?

小林 まだ決めてないが、「3年後に当たり前になる未来」にかけたいと思っている。テレビもカーナビもネットにつながる。ヘルスケアの分野も変わってきている。大きなトレンドを捉えて、ビジネスをしていきたい。ITが他の産業を変えるという流れがある。もしかしたらIT業界やネット系という言葉自体が5年以内に死語になるかもしれない。

宮澤 いまはサービスの責任者だけど、会社には「いつか本気で世界一になりたいものができたら、自分の気持ちに素直に挑戦させてください」と言ってある。死ぬとき後悔したくない。僕は長生きして、ずっと勝負しつづけたい。

 興味があるのは、「IT×何か」なんだけど、教育とエネルギーは可能性があるのではと思っている。例えば、米国のベンチャーで、脳をトレーニングして、知能指数を上げるというサービスをしている会社がある。これは高齢者のボケ防止とかに効果があるみたい。ITで大人の知能指数を上げるって、すごい面白い。

小林 宮澤さんは日本でやるの? 海外?

宮澤 日本から始めて、世界一を目指すかな。その際は、ビジネスパートナーは世界から集める。

国光 なるほど。僕は「0→1」はやりたくない。まったくビジネススキームも何もないところから、ビジネスのネタをつくって、人を集めて、会社登記して、というのはもうやりたくないな。だって、面倒くさい(笑)。

 僕はやっぱりエンターテインメントが好きで、実は医療や介護とか世の中の役に立つサービスとか、あまり興味がない(笑)。エンタメって別に無くても生きていけるど無いと寂しい。生きていくために必須ではないけど、あると人生をより豊かに楽しくする。そういったビジネスをやりたいと思っている。

 その一つは観光。ほとんどの国で、観光は“偶然”なんだよね。“偶然”に名所や自然がある。もう、ラスベガス以外は、運なんだよ。楽しめたり感動できるのは、運。パリも富士山も運。ほとんどの観光地は楽しくないし、退屈なんだよね。

 僕は、その運の部分を変えて、意図的に楽しめるものをやりたい。例えば京都行ったら全員ちょんまげで着物、客も全員着替えさせられて、言葉使いも「拙者は……」とか言う。秋葉原も全員コスプレ。都市計画ごとエンタメを第一に考えて、楽しいところをつくる。これが新しい観光ビジネスだよ。これ、市場はでかいと思うよ。

宮澤 ケタが違うね(笑)。でもそういうケタ違いなことをやって世の中を変えていきたい。

国光 真面目な話、ライバルはイーロン・マスクだと思っている。彼はテスラでトヨタを超えると思う。彼は徹底的に理系で左脳だよね。理系の時代と言われているが、僕に言わせれば違う。

 イーロンはスペースXを創業しているが、僕は「宇宙に行くことより、行ったあとの体験の方が大切」っていうことに気づいている。理系のイーロンは宇宙に人を運ぶだけ。僕は行った後の体験、つまり観光含めたビジネスを考える。「イーロンが運んで、僕が観光」。これなら勝てるでしょ(笑)。

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本荘修二

新事業を中心に、日米の大企業・ベンチャー・投資家等のアドバイザーを務める。多摩大学(MBA)客員教授。Net Service Ventures、500 Startups、Founder Institute、始動Next Innovator、福岡県他の起業家メンター。BCG東京、米CSC、CSK/セガ・グループ大川会長付、投資育成会社General Atlantic日本代表などを経て、現在に至る。「エコシステム・マーケティング」など著書多数。訳書に『ザッポス伝説』(ダイヤモンド社))、連載に「インキュベーションの虚と実」「垣根を超える力」などがある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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